【2025年8月の国内景気】3カ月連続改善、猛暑特需と建設需要が押し上げ
- 2025/9/3 19:53
- その他・経済

■猛暑による飲食・家電需要が活況、サービス業のみ悪化
帝国データバンクは9月3日、2万6162社を対象とした2025年8月の景気動向調査を発表した。景気DIは43.3と前月比0.5ポイント上昇し、3カ月連続で改善した。国内景気は、米国の関税政策に不透明さが残るものの、猛暑特需や全国の建設需要が牽引し、上向き基調を維持した。飲食や家電、熱中症関連商材が活況を呈し、金融市場では日経平均株価が過去最高値を更新するなど、幅広い分野でプラス要因が広がった。
■建設需要や万博効果が地域景気を後押し、北関東は低迷
業界別では10業界中9業界が改善し、『製造』『建設』『小売』が景気を押し上げた。お盆休みの賑わいや猛暑特需が飲食・流通を支えた一方、『サービス』は屋外レジャー低迷や広告需要減少により唯一悪化した。製造業では食品や化学品が好調だったが、自動車関連は関税措置の不透明感から低迷した。規模別では「大企業」「中小企業」「小規模企業」がそろって改善し、2024年9月以来11カ月ぶりのそろい踏みとなった。
地域別では10地域中8地域が改善し、『北海道』『近畿』を中心に建設需要や観光関連が押し上げた。『近畿』では大阪・関西万博に伴う人流増加が景気を後押しした。他方、『北関東』は猛暑で人の動きが鈍り、サービス業や自動車関連が低迷したことで悪化した。都道府県別では33都道府県が改善した一方で、13県は悪化した。
今後の見通しについては、実質賃金や可処分所得の推移、インフレ対策の効果が個人消費を左右する焦点となる。AI関連投資や訪日客増加が下支え要因とされる一方、人手不足や物価高が依然として重しとなり、追加利上げの時期や米国関税措置の行方も不確実性を残している。国内景気は当面、横ばい圏での推移が見込まれている。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)