川崎車両、電車機器共通化の電気式気動車「GreenDEC」開発、水素対応も可能

■公共交通維持と環境負荷低減を両立

 川崎重工業<7012>(東証プライム)グループの川崎車両は12月19日、新動力に対応できる電気式気動車「GreenDEC」を開発したと発表した。非電化鉄道が抱える老朽化や部品調達難といった課題に対応し、地域の鉄道公共交通の維持と地球環境負荷低減の両立を目指す。日本国内の非電化路線は鉄道路線全体の約30%を占めており、将来のカーボンニュートラル実現に向けた新たな選択肢として位置付ける。

 「GreenDEC」は、ディーゼル機関で発電し、その電力でモーターを駆動する電気式気動車をベースとし、モーターやインバータ、歯車減速機などを一般的な電車と共通化した点が特徴である。これにより交換部品の入手性を高め、メンテナンス負担を軽減することで、維持コストの抑制に寄与する。さらに、水素駆動機関など将来の新動力への転換や交換を見据えた構造とし、水素利用までシームレスに対応できるプラットフォーム車両とした。

 デザイン面では、ステンレス車体の地肌を生かした外観とブラックフェースの前面でクリーンかつ引き締まった印象を演出し、内装は白を基調に明るさと清潔感、視認性を重視した。すでに複数の鉄道事業会社から受注しており、天竜浜名湖鉄道と甘木鉄道では2026年春のダイヤ改正に合わせて営業運転を開始する予定である。車体長18.00メートル、幅2.80メートル、設計最高速度95km/hとし、地域に応じた仕様での展開を進める。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

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