ファンデリー、CID事業の収益改善が想定以上に進展、上方修正で26年3月期黒字拡大へ

 ファンデリー<3137>(東証グロース)は、健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD事業、ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」のCID事業、周辺領域のマーケティング事業を展開し、ヘルスケア総合企業を目指している。CID事業は収益改善に向けてスーパーマーケット等でのリテール販売強化を加速させている。26年3月期は2月27日付で各利益を上方修正して黒字が拡大する見込みとした。CID事業の収益性改善が想定以上に進展している。積極的な事業展開で27年3月期も収益改善基調だろう。なお26年2月13日付で東証スタンダード市場への市場区分変更申請を発表した。株価は上方修正を好感して急伸する場面があった。その後は買いが続かず上値の重い形だが、一方では下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■ヘルスケア総合企業を目指す

 成長戦略としてヘルスケア総合企業を目指し、健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD(Medical Food Delivery)事業、20年7月開始したハイブランド冷凍食「旬をすぐに」宅配のCID(Cooking Immediately Delivery)事業、周辺領域のマーケティング事業(食品メーカー等の企業向けマーケティング支援サービス)を展開している。なお2月13日付で東証スタンダード市場への市場区分変更申請を発表した。

 25年3月期のセグメント別業績(調整前)は、MFD事業の売上高が19億70百万円で営業利益が2億90百万円、CID事業の売上高が1億02百万円で営業利益が3億89百万円の損失、マーケティング事業の売上高が3億91百万円で営業利益が2億69百万円だった。

■健康冷凍食「ミールタイム」宅配のMFD事業

 MFD事業は、健康冷凍食(冷凍弁当)の通販カタログ「ミールタイム」を医療機関や調剤薬局などを通じて配布し、顧客(個人)から注文を受けて宅配する。製造は外部に委託している。従来の食事宅配サービスと一線を画し、食事コントロールを通じた血液検査結果の数値改善を目指している。

 全国の医療機関や調剤薬局など約2万ヶ所の紹介ネットワークを通じた効率的な顧客獲得、専門性の高い栄養士による「ヘルシー食」「たんぱく質調整食」「ケア食」そして「パワーアップ食」など多様な健康食の開発やカウンセリングを強みとして、栄養士が顧客の疾病・制限数値・嗜好などに合わせてメニューを選び、定期的に届ける「栄養士おまかせ定期便」も提供している。製造は外部に委託している。

 25年3月期末のアクティブ会員数(過去1年以内に1回以上購入した会員数)は前期末比2000人増の2万6088人、アクティブ会員の月間ARPUは523円減の1万4480円、定期コース会員数は113人減の5971人、紹介ネットワークは486箇所減の1万9212箇所となっている。

 なお医療機関・調剤薬局向け「ミールタイム・ポータル」を25年3月にスタートし、DXを推進している。また原材料費等の高騰に対して「ミールタイム」の一部商品価格改定も実施(25年3月、25年6月)した。26年2月にはサービス強化の一環として、食事宅配サービス史上初(同社調べ)となる栄養士による英語対応を開始した。

■ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」のCID事業

 ハイブランド冷凍食「旬をすぐに」宅配のCID事業は自社工場(埼玉工場)で製造する冷凍食の製造小売事業である。健康な身体はバランスの良い食事からという考えのもと、食の安心・安全にこだわり、国産食材100%であること、健康被害の恐れのある67種類の食品添加物を使用していないこと、食材ごとに異なる最適な加熱温度特許技術で1℃単位のコントロールを行っていること、冷凍工学に基づいた究極の特許冷凍技術で-70℃の瞬間凍結を行っていることなど、従来の冷凍弁当とは一線を画すクオリティの高さを特徴としている。

 管理栄養士が考えた栄養バランスや、特許加熱・冷凍による美味しさが特徴のメニュー構成である。コスト面では全国の生産者で構成する「旬すぐ共栄会」を通して、栄養価の高い旬の食材を収穫量が多く価格が下がる時期に仕入れる。商品力強化の面では21年12月に「AI旬すぐ」サービスを開始、21年1月に新ブランド「PREMIUM」シリーズを販売開始、22年12月に最高峰ブランド「SUPER PREMIUM」シリーズを販売開始した。

 24年3月にはNTT東日本グループのNTTアグリテクノロジーとの協業を発表した。最先端農業ハウスで収穫した規格外の野菜を使用してコラボ商品を製造・販売する。

 24年6月には小売店舗での販売を開始した。その後、スーパーマーケットでのリテール販売強化に向けて販路を積極的に開拓し、25年4月にイオングループ、ライフコーポレーション、オオゼキ、クイーンズ伊勢丹、三浦屋、コープデリグループ、エイチ・ツー・オー・グループのイズミヤおよび阪急オアシス、ユニバース、ナリタヤ、魚長、コープさっぽろ、イオングループの九州エリア、ドラッグストアmac、25年5月に近商ストア、Celest、JR東日本都市開発の「駅ナカ」4ヶ所、25年6月に極東ファディ、25年7月に高島屋の食料品宅配サービス、コープデリとの取引を開始した。

 また原材料費等の高騰に対して、一部商品価格改定(ECサイト向け商品は25年7月受注分より、小売店向け商品は25年9月納品分より)を実施した。

■周辺領域のマーケティング事業

 マーケティング事業は健康食宅配サービスから派生した周辺事業として、食品メーカーなどへの健康食通販カタログ誌面の広告枠販売、食品メーカーからの商品サンプリングや健康食レシピ作成の業務受託、健康食レシピサイト運営などを展開し、収益源の多様化を推進している。

■健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」

 日々の食事において塩分摂取量を適正に保つことの重要性を啓蒙し、日本全体の健康意識を高めるための「らくだ6.0プロジェクト」も展開している。賛同企業として24年4月にイカリソース、24年5月に恩地食品、寿がきや食品、マエカワテイスト、もり、通宝、24年6月に大森屋、浅利佐助商店、24年9月に一正蒲鉾、オタフクソース、24年10月にカルビー、24年11月に山崎製パン、カゴメ、24年12月にはくばく、亀田製菓、大塚食品、25年2月に敷島製パンが新規加入し、25年2月末時点の賛同企業は46社、認定商品は110品となっている。

■26年3月期は利益予想を上方修正して黒字拡大見込み

 26年3月期の業績(非連結)予想は26年2月27日付で修正して、売上高が前期比6.8%増の26億31百万円、営業利益が1億22百万円(前期は1億33百万円の損失)、経常利益が66百万円(同1億82百万円の損失)、当期純利益が64百万円(同1億83百万円の損失)とした。

 前回予想(25年4月30日付の期初公表値、売上高29億92百万円、営業利益86百万円、経常利益28百万円、当期純利益26百万円)に対して、売上高を3億61百万円下方修正したが、営業利益を35百万円、経常利益を37百万円、当期純利益を37百万円それぞれ上方修正し、黒字が拡大する見込みとした。

 売上高はMFD事業において定期購入顧客数が想定を下回ったため前回予想を下回るが、前期比では増収の見込みだ。そして利益面はCID事業の収益性改善が想定以上に進展しているほか、全社ベースの業務効率化なども寄与する見込みだ。

 第3四半期累計は売上高が前年同期比4.9%増の19億60百万円、営業利益が97百万円(前年同期は89百万円の損失)、経常利益が55百万円(同1億25百万円の損失)、四半期純利益が54百万円(同1億26百万円の損失)だった。増収で黒字転換した。MFD事業とCID事業の収益性が改善したほか、マーケティング事業が大幅伸長した。収益構造改革が着実に進展した。

 MFD事業は、売上高が2.9%増の15億45百万円、営業利益(全社費用等調整前)が11.8%増の2億47百万円だった。価格改定効果により収益性が改善した。第3四半期の定期コース会員数は前年同期比242人減少の5733人、アクティブ会員数(過去1年以内に1回以上購入した会員数)は736人減の2万5066人、月間ARPU(「月間売上高÷月内に1回以上購入した会員数」の3ヶ月平均)は790円増の1万6351円だった。ARPUはおせちの販売により上昇した。紹介ネットワーク数は947箇所減少して1万8613箇所となった。

 CID事業は売上高(セグメント間の内部売上高含む)が66.2%増の1億81百万円、営業利益が1億89百万円の損失(前年同期は2億90百万円の損失)だった。小売店向け卸売上の増加、セグメント間取引量の増加により収益性が改善した。

 マーケティング事業は、健康食品通販カタログ「ミールタイム」および「ミールタイム ファーマ」の2誌による広告枠の販売、紹介ネットワークを活用した業務受託を展開している。売上高は11.4%増の3億23百万円、営業利益は21.5%増の2億42百万円だった。

 全社ベースの業績を四半期別に見ると、第1四半期は売上高が6億22百万円で営業利益が4百万円、第2四半期は売上高が6億49百万円で営業利益が37百万円、第3四半期は売上高が6億89百万円で営業利益が54百万円だった。

 通期利益予想は上方修正して黒字が拡大する見込みだ。MFD事業はミールタイム価格改定効果(米を使用している商品を中心に25年6月1日注文分より改定)などにより増益を見込む。CID事業はリテール販売拡大と価格改定効果(ECサイト向け商品は25年7月1日受注分より、小売店向け商品は25年9月1日納品分より、すべてのカテゴリを対象に平均11.3%の値上げ)などにより損失縮小を見込む。マーケティング事業は下期に多数の受注を見込んでいる。積極的な事業展開で収益改善基調だろう。

■株主優待制度は毎年3月末対象、ファン株主2万人構想

 株主優待制度は、毎年3月31日現在で100株(1単元)以上保有株主を対象として、ハイブランド冷食「旬をすぐに」で利用できるお食事クーポン券を、保有株式数に応じて贈呈する。なお25年10月1日付の株式2分割に伴い、26年3月31日対象より一部変更(詳細は会社HP参照)する。

 また25年1月には「ファン株主2万人構想」を発表した。ファンコミュニティ構築に向けて、株主試食会イベントの実施、株主優待制度の開始、株主アンケートの実施、管理栄養士による健康セミナー(株主懇親会)、流通株式比率増加への取り組みなどを推進する。なお7月2日に立会外分売を実施した。株式分布状況の改善、流動性の向上、および「ファン株主2万人構想」の実現に向けた株主数の増加を図る。

■株価は調整一巡

 株価(25年10月1日付で株式2分割)は、上方修正を好感して急伸する場面があった。その後は買いが続かず上値の重い形だが、一方では下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。3月9日の終値は248円、今期予想PER(会社予想のEPS5円11銭で算出)は約49倍、前期実績PBR(前期実績BPS17円52銭で算出)は約14.2倍、そして時価総額は約32億円である。(情報提供:日本インタビュ新聞社・株式投資情報編集部)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シャープ堺工場跡地を再活用、水冷技術と再エネ電力で高性能計算を実現  KDDI<9433>(東証…
  2. ■2026年3月6日全国公開、日本の観客へ感謝を込めた特別版  ギャガは、『映画 冬のソナタ 日本…
  3. ■写真555点で広がる味覚の世界、0歳からの「はらぺこ図鑑」  学研ホールディングス<9470>(…
2026年3月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031  

ピックアップ記事

  1.  マーチャント・バンカーズ<3121>(東証スタンダード)はマーチャント・バンキング事業として不動産…
  2. ■JR東日本、約40年ぶり運賃改定で鉄道株に注目  JR東日本<9020>(東証プライム)は3月1…
  3. ■中東情勢の行方が左右する「彼岸底」シナリオと原油危機回避の可能性  願わくば少なくともアノマリー…
  4. ■投資バリューは中立も株価材料として機能する局面も  株式市場は3月相場入りを控え、株式分割銘柄の…
  5. ■東京市場、株式分割ラッシュ拡大、値がさ化の進行が契機  3月相場は、また「二日新甫」である。「二…
  6. ■地銀・建設・リサイクル株が業績上方修正クラスターを形成  今週の当コラムは、内需ディフェンシブ株…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る