【編集長の視点】ソネット・メディア・ネットワークスは上場来安値から続急伸、成長可能性を再評価して直近IPO株買いが増勢

編集長の視点

 ソネット・メディア・ネットワークス<6185>(東マ)は、100円高の2930円と続急伸して始まり、今年1月21につけた上場来安値2520円からの底上げを加速させている。同社株は、昨年12月22日に新規株式公開(IPO)され上場来高値5640円まで買い進まれ、公開価格(2300円)比2.4倍化する高人気となり、年明け後は世界同時株安の波及で上場来安値2933円に突っ込む反動安となっていたが、インターネット広告の最先端ビジネスモデルを展開する同社の成長可能性を再評価して下げ過ぎとして直近IPO株買いが増勢となっている。

■広告買付プラットフォーム「ロジカド」は今3月期に前期比46%増

 同社は、ソニー<6758>(東1)のグループ会社の1社で、ビッグデータ処理、人工知能(AI)、金融工学の3つの中核技術を駆使してインターネット広告を提供するマーケティングテクノロジー事業を展開している。同広告のうち広告枠の売買をリアルタイムで行う広告買付プラットフォーム(DPS)「Logicad(ロジカド)」は、月間1300億(昨年10月末現在)を超えるインプレッション(広告掲載回数)を処理、電子書籍や通信販売などの幅広い業種の広告主の広告配信効果を最適化している。

 インターネット広告市場は、2014年に前年比12.1%増の1兆519億円とすでに媒体別では新聞広告の6057億円を上回っているが、このうちDPSなどの運用型広告は、同23.9%増の5106億円と高成長した。同社の今3月期のDPSの売り上げは、前期比46.0%増の30億6800万円を見込み、成功報酬型広告のアフリエイトも、同62.9%増の19億6600万円と伸びることから今期業績も好調に推移する。売り上げ53億9000万円(前期比45.2%増)、営業利益2億6000万円(同53.1%増)、経常利益2億4400万円(同44.2%増)、純利益2億3400万円(同12.9%増)と見込んでいる。

■上場来安値でダメ押しをして一段の底上げにチャレンジ

 株価は、IPO初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、2日目に5500円で初値をつけ5630円まで買い進まれ、大引けでは初値比ストップ安となったが、3日目にはストップ高と切り返し上場来高値5640円をつける大化けを演じた。年明け後は、大発会以来の全般相場急落とともに調整し、1月21日につけた上場来安値2520円でダメ押しをした。成長可能性を評価して一段の底上げにチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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