【編集長の視点】ネオジャパンは連日の分割落ち後安値も新バージョンなど発売で連続最高純益更新に期待高め反転含み

編集長の視点

 ネオジャパン<3921>(東マ)は、98円安の1831円と3日続落して始まり、連日の株式分割権利落ち後安値更新となっている。きょう5日の日経平均株価が、1ドル=116円台と円高に進んでいることを嫌い315円安と4日続落してスタートしていることから、同社株にも当面の利益を確定する売り物が続いている。ただ、同社は目下、前2016年1月期業績の決算集計を行い、3月に発表予定にあるが、これに先立って今年1月29日にWebグループウエア(情報共有ソフト)「desknet’s NEO」の新バージョン(V3.5)を発表、2017年1月期の業績期待を高めて下値買いは続いている。東洋経済会社四季報最近号では、2017年1月期純利益が、2億8000万円と連続して過去最高更新と観測されていることもフォローの材料となりそうだ。

■「V3.5」や「チャットラック」などの新製品、新ツールが今期業績を押し上げ

 同社の「desknet’s NEO」は、昨年9月現在での累計販売実績が323万ユーザーに達する純国産のWebグループウエアで、新バージョンは、各種管理機能の強化・見直しを行い、ユーザー誤削除防止など管理者の運用・管理負担を軽減する一方、利用者向け機能では、取引先など社外メンバーと社内メンバーとの間の情報共有をより円滑化するなどにより使い勝手を向上させており、パッケージ版、クライド版とも1月29日から提供を開始した。同社は、この新バージョン提供に先立って昨年12月には、メールに変わるビジネス向けのコミュケーション・ツールである「ChatLuck(チャットラック)」も発売して企業のメッセージ基盤を強化しており、相次ぐ新製品が業績の押し上げ効果を発揮する見込みである。

 同社が目下集計中の2016年1月期業績は、昨年11月のIPO(新規株式公開)時に売り上げ18億6700万円(前期比8.3%増)、経常利益3億6100万円(同36.1%増)、純利益2億2800万円(同32.3%増)と予想された。これに対して昨年12月に発表された第3四半期(3Q)業績は、売り上げ14億1000万円、経常利益3億6300万円、純利益2億3100万円で着地し、すでに利益が、IPO時の通期予想を上回っており、通期業績の上ぶれ着地も期待されている。続く2017年1月期業績も、新製品・新サービスの相次ぐ発売などで続伸が有力で、東洋経済会社四季報最近号は、純利益を2億8000万円と連続過去最高更新と観測している。

■昨年11月のIPO時の高初値倍率の急騰再燃思惑も底流し悪目対応妙味を示唆

 株価は、今年1月26日に6660円で株式分割(1対3)の権利を落とし、1月28日に分割権利落ち後高値2450円、日銀のマイナス金利導入でも2430円高値をつけたものの、全般相場下落とともに下値を探っている。昨年11月のIPO時に公開価格2900円に対して1万4550円で初値をつけた5.0倍の高初値倍率や、上場来高値1万6490円まで買い進まれた急騰実績の再現思惑の底流や内需関連株人気を再燃させる展開が想定範囲内となり、悪目対応で報われそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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