【狙い場・買い場】三菱瓦斯化学の第3四半期大幅増益、通期増額・増配

狙い場・買い場

 三菱瓦斯化学<4182>(東1・1000株)は、ミニゴールデンクロスを示現。好業績の割安感がある銘柄として注目したい。

 基礎化学品からファインケミカル、機能材料に至る、幅広い領域に事業を展開している。資源・エネルギー問題、IT技術の進展、地球温暖化、少子高齢化といった人口動態の変動、医療や食品、健康や安全に対する意識の高まり、顧客ニーズの多様化に対応し、「天然ガス系化学品」「芳香族化学品」「機能化学品」「特殊機能材」の4つのカンパニーを柱に、メタノールやキシレン、過酸化水素といった基礎化学品から、高機能エンジニアリングプラスチック、発泡プラスチック、半導体パッケージ材料、脱酸素剤「エージレスR」といった機能製品を通じて、社会に価値を提供している。

 3日後場立会中に発表した今16年3月期第3四半期業績実績は、売上高が4509億3600万円(前年同期比12.3%増)、営業利益が271億6400万円(同2.4倍)、経常利益が362億3700万円(同7.6%増)、純利益が284億2300万円(同2.0%減)に着地。

 通期業績予想は、売上高が従来予想の6000億円(前期比13.3%増)を据え置いたが、営業利益は同265億円から285億円(同90.0%増)、経常利益は同360億円から370億円(同11.9%減)、純利益が同260億円から290億円(同33.1%減)に増額。年間配当16円(同2円増)を予定している。

 電子材料やポリカーボネートシート・フィルムの販売数量が減少したが、円安及び原燃料価格の低下による採算改善に加え、株式会社JSP等の連結子会社化が寄与し、10-12月期営業利益は118億3100万円(前年同期比2.3倍)と大幅増益となったことから通期営業利益予想を増額し、本業は好調で。

 株価は、540円割れの下値圏から昨年11月5日高値689円と上昇。1月21日安値517円まで調整を挟んで上昇。ミニゴールデンクロスを示現し、騰勢を強めつつある。石油依存からの脱却を目指すサウジ政府が、規制緩和などで外国企業の投資を促しており、サウジで事業展開する同社が見直される可能性はある。中期経営計画では最終年度18年3月期営業利益400億円目標を掲げているが、初年度の16年3月期は計画を上回る見通しで、今期予想PER8倍台・PBR0.67倍と割安感があるほか、配当利回り2.7%と利回り妙味がソコソコある。中長期的な成長期待から上値を試す展開となるか注目したい。(N)

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