【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコはレンジ下限に到達して調整一巡、0.2倍台の低PBRも支援材料に切り返し局面

銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価は安値圏でモミ合う展開だが、12月17日の直近安値545円から徐々に下値切り上げの動きを強めている。540円~600円近辺のボックスレンジ下限に到達して調整が一巡したようだ。0.2倍台の低PBRも支援材料であり、収益改善期待でレンジ下限から切り返し局面だろう。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風だ。

 前期(14年11月期)の業績(非連結)見通しは前回予想(1月17日公表)を据え置いて売上高が前々期比1.2%増の28億90百万円、営業利益が42百万円の黒字(前々期は11百万円の赤字)、経常利益が43百万円の黒字(同2百万円の赤字)、純利益が28百万円の黒字(同16百万円の赤字)、配当予想が前々期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 第3四半期累計(12月~8月)は前年同期比3.0%増収となり、営業利益、経常利益、純利益とも赤字幅が縮小した。新製品投入など積極的な営業活動の成果で増収となり、利益面では円安進行による輸入コスト上昇や一部在庫品の値下げ販売の影響があったが、増収効果などで吸収した。アウトドア事業では防虫機能を備えた「スコーロン」製品が注目されたようだ。通期ベースでも増収効果で黒字化が期待され、今期(15年11月期)に向けて収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、安値圏550円近辺でモミ合う展開だが、14年8月安値529円水準まで下押すことなく、12月17日の直近安値545円から徐々に下値切り上げの動きを強めている。概ね540円~600円近辺のボックスレンジ下限に到達して調整が一巡したようだ。

 1月5日の終値554円を指標面で見ると、前期推定PER(会社予想のEPS9円95銭で算出)は56倍近辺、前期推定配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.2%近辺、そして前々期実績PBR(前々期実績のBPS2358円41銭で算出)は0.2倍近辺である。

 週足チャートで見ると26週移動平均線を割り込んで調整局面だが、大勢は540円~600円近辺でのボックス展開で、レンジ下限に到達した形だ。また日足チャートで見ると戻りを押さえていた25日移動平均線突破の動きを強めている。0.2倍台の低PBRも支援材料であり、収益改善期待でレンジ下限から切り返し局面だろう。

>>ティムコのMedia-IR企業情報

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■ガソリン・軽油の暫定税率廃止法成立  ガソリン暫定税率廃止法は11月28日に成立し、ガソリン税2…
  2. ■うつ・統合失調症・発達障害を脳から理解する、最前線研究を平易にまとめた一冊  翔泳社は11月25…
  3. 【新築マンションの短期売買を分析】  国土交通省は11月25日、三大都市圏および地方四市の新築マン…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■「大きく産んで小さく育てる」IPO市場、期待裏切る後半戦  48勝2分10敗である。2025年の…
  2. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  3. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  4. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  5. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  6. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る