マルマエは受注残高は高水準背景に出直る、16年8月期通期業績は再増額の可能性、ロボット分野展開も評価

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チャート2 マルマエ<6264>(東マ)は半導体・FPD製造装置に使用される真空部品などの精密切削加工事業を展開している。2月13日発表の16年1月受注残高は前年同期比24.3%増加した。受注は高水準であり、16年8月期通期業績の会社予想は再増額の可能性が高いだろう。株価は昨年来高値が764円(15年12月)、同安値が419円(15年11月)、直近3月11日終値は581円。

 15年8月期の非連結業績は14年8月期比34.0%増収、同68.3%営業増益、同70.5%経常増益、同85.0%最終増益だった。半導体分野およびFPD分野の好調な受注が牽引した。売上総利益率は30.9%で同2.6ポイント上昇、販管費比率は9.7%で同1.7ポイント低下した。特別利益には「中小企業・小規模事業者ものづくり・商業・サービス革新事業に係る補助金」15百万円、および繰延税金資産1億13百万円を計上した。

 そして96年のマザーズ上場以来初となる年間36円(期末一括)の配当を実施した。配当性向は11.3%だった。またROEは100.7%で同22.9ポイント低下、自己資本比率は32.7%で同10.3ポイント上昇した。BPSは135円80銭で14年8月期の28円68銭から大幅に改善した

 16年8月期・第1四半期(9月~11月)の非連結業績は、売上高が前年同期比60.9%増の6億19百万円、営業利益が同3.8倍の1億55百万円、経常利益が同3.5倍の1億48百万円、純利益が同2.4倍の1億円だった。

 分野別の受注高は、半導体分野が同4.5%減の2億73百万円、FPD分野が同3.0倍の2億61百万円、その他分野が同98.7%減の2百万円、分野別の売上高は、半導体分野が同36.8%増の3億26百万円、FPD分野が同2.4倍の2億48百万円、その他分野が同14.3%増の36百万円だった。

 12月25日に今期(16年8月期)第2四半期累計(9月~2月)および通期の非連結業績予想を増額修正した。半導体分野とFPD分野の受注が好調に推移しているためだ。

 第2四半期累計の非連結業績予想は、前回予想(10月14日公表)に対して、売上高を1億20百万円増額して前年同期比9.4%増の11億20百万円、営業利益を70百万円増額して同28.4%増の2億20百万円、経常利益を70百万円増額して同21.7%増の2億05百万円、純利益を70百万円増額して同21.3%増の2億20百万円としている。

 通期の非連結業績予想については、前回予想(10月14日公表)に対して、売上高を1億30百万円増額して前期比0.3%増の21億30百万円、営業利益を80百万円増額して同15.6%減の3億80百万円、経常利益を80百万円増額して同19.7%減の3億50百万円、純利益を55百万円増額して同45.5%減の3億05百万円としている。

 配当予想については年間14円(第2四半期末7円、期末7円)としている。15年9月1日付の株式3分割を考慮して、前期の年間36円を株式3分割後に換算すると年間12円で、今期は実質的に前期比2円増配となる。予想配当性向は24.2%となる

 2月13日に発表した16年1月度の月次受注残高(速報値)は、半導体分野1億円(前月比0.9%増、前年同月比34.6%減)、FPD分野2億17百万円(前月比6.7%減、前年同月比297.2%増)、その他分野12百万円(前月比8.9%減、前年同月比78.2%減)、合計3億30百万円(前月比4.6%減、前年同月比24.3%増)だった。

 半導体分野では微細化投資の本格化でエッチング、洗浄、ALDなどの工程で市場拡大が見込まれるため、洗浄分野への参入、エッチング分野での試作強化などを推進する。FPD分野では中長期的に8Kなどで需要拡大が見込まれるため、自社における設スマートフォン関連の需要が継続し、自動車関連やロボット関連の市場へ参入するため、生産余力の効率的活用と協力企業の拡大を図る。とくに、15年12月には鹿児島大学大学院理工学研究科との共同研究契約を締結した。リハビリ装置の研究開発と作業筋力補助ロボットの研究開発の2件について、早期の実用化を目指して共同研究する。

 3月11日の終値581円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS57円90銭で算出)は10倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間14円で算出)は2.4%近辺である。

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