【アナリスト水田雅展の銘柄分析】東洋ドライルーブは3月安値で底打ち感、16年6月期減収減益だが17年6月期の収益改善期待

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 東洋ドライルーブ<4976>(JQS)は自動車機器向けを主力として、ドライルーブ製品のコーティング加工事業を展開している。16年6月期は一部取引先における生産調整の影響で減収減益予想となったが、17年6月期は収益改善基調が期待される。株価は3月安値で底打ち感を強めている。0.3倍近辺という低PBRも評価材料として反発のタイミングだろう。

■ドライルーブ製品のコーティング加工が主力

 ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造も展開している。海外は中国、タイ、ベトナムに展開している。

 ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッド配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。

 ドライルーブでコーティング加工することにより各種素材の摩擦係数を大幅に低減できるなど、耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。

 中期成長に向けた事業戦略では新製品・新加工技術の開発、アジア地域を中心としたグローバル展開、海外連結子会社の生産性改善を積極推進する方針を掲げている。そして新製品では発熱皮膜、放熱皮膜、撥油皮膜、超撥水皮膜、DLC皮膜、LUBICKシリーズなどの開発を強化している。

■自動車、電気・電子部品、光学機器などの生産動向が収益に影響

 15年6月期の四半期別推移を見ると、売上高は第1四半期(7月~9月)12億08百万円、第2四半期(10月~12月)12億07百万円、第3四半期(1月~3月)11億99百万円、第4四半期(4月~6月)12億26百万円、営業利益は第1四半期81百万円、第2四半期70百万円、第3四半期72百万円、第4四半期44百万円だった。

 自動車、電気・電子部品、光学機器などの生産動向の影響を受けやすい収益構造である。なお15年6月期の売上総利益率は23.8%で14年6月期比横ばい、販管費比率は18.2%で同2.0ポイント上昇した。ROEは5.7%で同0.2ポイント上昇、自己資本比率は75.1%で同0.2ポイント低下した。そして配当性向は12.7%だった。

■16年6月期第2四半期累計は減収減益

 今期(16年6月期)第2四半期累計(7月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比4.7%減の23億01百万円、営業利益が同30.3%減の1億05百万円、経常利益が同71.8%減の96百万円、純利益が同68.6%減の64百万円だった。国内の一部取引先で出荷減少・在庫増加となり、生産調整が想定以上に長引いたため売上高、各利益とも計画を下回り減収減益だった。

 事業別売上高は、ドライルーブ事業が同5.0%減の22億87百万円(自動車関連が同6.9%減の16億47百万円、電子部品関連が同8.4%増の2億04百万円、光学機器関連が同18.7%増の2億60百万円、その他が同23.7%減の1億77百万円)で、その他事業が同2.1倍の13百万円だった。

 売上高減少によって売上総利益は同9.1%減少した。売上総利益率は23.4%で同1.1ポイント低下した。販管費は1.8%減少したが、販管費比率は18.8%で同0.6ポイント上昇した。営業外収益では持分法投資利益が増加(前期は30百万円計上、今期は60百万円計上)したが、為替差損益が悪化(前期は差益1億56百万円計上、今期は差損67百万円計上)した。特別利益では前期計上の国庫補助金9百万円が一巡した。

 なお四半期別業績推移を見ると、売上高は第1四半期(7月~9月)11億74百万円、第2四半期(10月~12月)11億27百万円、営業利益は第1四半期68百万円、第2四半期37百万円だった。

■16年6月期業績予想を減額して減収減益

 今期(16年6月期)通期の連結業績予想(2月5日に減額修正)は、売上高が前期(15年6月期)比4.3%減の46億30百万円で、営業利益が同32.6%減の1億80百万円、経常利益が同60.3%減の2億18百万円、そして純利益が同53.8%減の1億54百万円としている。

 国内の一部取引先における生産調整が想定以上に長引き、海外における受託加工品の量産先送り傾向も影響して減収、営業減益予想だ。経常利益と純利益は営業外での為替差損益の悪化も影響する。

 事業別売上高の計画は、ドライルーブ事業が同4.7%減の46億01百万円(自動車関連が6.3%減の33億52百万円、電子部品関連が2.5%減の3億91百万円、光学機器関連が15.5%増の5億06百万円、その他が14.1%減の3億52百万円)で、その他事業が同2.1倍の29百万円としている。

 配当予想は前期と同額の年間32円(第2四半期末15円、期末17円)としている。予想配当性向は27.5%となる。配当方針については、経営体質を強化するための必要な内部留保と成果配分のバランスを勘案したうえで、安定的な配当を継続していくことを基本方針としている。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が49.7%、営業利益が58.3%、経常利益が44.0%、純利益が41.6%である。経常利益と純利益は為替差損益の影響で低水準だが、売上高と営業利益は概ね順調な水準だろう。また来期(17年3月期)は一部取引先における生産調整の影響が一巡して収益改善基調が期待される。

■株価は3月安値で底打ち感、低PBRも評価材料

 株価の動きを見ると、今期(16年6月期)業績予想の減額修正も嫌気して水準を切り下げ、3月18日には年初来安値1322円まで調整した。その後は1300円台で下げ渋る動きとなり底打ち感を強めている。

 4月20日の終値1380円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS116円31銭で算出)は11~12倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間32円で算出)は2.3%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS4632円08銭で算出)は0.3倍近辺である。なお時価総額は約19億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線突破の動きを強めている。調整が一巡したようだ。0.3倍近辺という低PBRも評価材料として反発のタイミングだろう。

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