【銘柄紹介】JESCOは電気計装工事技術を核に社会インフラで多くの実績、アセアン拡大、今期2ケタ増益

銘柄紹介

 JESCOホールディングス<1434>(東2・100株)は、1970年の創業以来、「安心して暮らせる豊かな社会創り」を基本理念とし、様々な技術を提供している。

 創業当初から原子力発電所の電気計装工事の技術を核とし、電気設備、情報通信設備、大型映像設備等の設計、施工、更に、プロデュースから運用、保守メンテナンスまでワンストップで顧客にサービスを提供している。

 1994年にマレーシア、2001年にベトナムに進出。発展しているASEAN地域でさらなる事業拡大を目指している。

 今2016年8月期は、引き続き高速道路ETC設備工事、防災行政無線設備工事をはじめとする公共事業・ICT事業の受注活動を積極的に進め、人材の流動化による稼働の平準化、ベトナム拠点の活用によるコストダウンにより収益の拡大に注力している。

 国内EPC事業においては、移動体通信は各通信事業者の設備投資が不透明なこともあり、同社の強みである安全・技術・品質を基盤として、設計から保守まで一貫した提案活動により、市場の掘り起こしを行っているほか、システム分野については、次世代ETCレーンの整備工事、高速道路の大規模修繕の受注に向け取り組んでいる。豊富な工事実績に基づき得意先の新規開発をテコに積極的に受注活動を展開している。

 アセアンEPC事業においては、JESCO ASIA JOINT STOCK COMPANYの強みである電気設備設計・積算等を通じ「コンサルタント・設計・調達・ 建設・メンテナンスまで請け負える一気通貫型企業」を目指し、またJESCO HOA BINH ENGINEERING JOINT STOCK COMPANYの強みである豊富な電気・空調衛生設備工事分野での実績と優秀な人材を武器にした両社のシナジー効果の向上に注力し、2月の大型案件の受注に繋がっている。

 総合メディア事業においては、サイネージソリューションでは公営競技・スポーツ施設等の大型映像装置の買い替え需要が増えることから、リニューアル提案を積極的に行い、前期に比べて業績の回復が見られている。

 今16年8月期第2四半期業績実績は、売上高が48億7000万円、営業利益が3億7600万円、経常利益が4億0800万円、純利益が3億0300万円に着地。

 通期業績予想は、売上高が90億円(前期比12.0%増)、営業利益が4億5400万円(同26.2%増)、経常利益が4億6200万円(同32.6%増)、純利益が3億3700万円(同38.9%増)を見込んでいる。配当予想は期末一括8円(同1円増)と増配を予定している。

 第2四半期は、売上について、見通しより完成工事の進捗が一部まったことにより、計画を上回り業績は順調に推移しており、通期業績予想の上ブレが視野に入る。

 株価は、第2四半期業績好調を好感し、4月19日に年初来の高値492円と買われた後、5月6日安値420円まで短期調整した後、モミ合っている。インドネシアでは、インフラ開発で日本から経済面での協力を強化したい考えを示す等しており、ASEAN各地で社会インフラ事業を展開している同社にビジネスチャンスが拡がると期待される。今期予想PER8倍台と割安感があり、業績上ブレ期待から440円割れで下値を固めた感がある。ここからの押し目は中長期的な視点で注目したい。

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