【業績でみる株価】ゼリア新薬の16年3月期は70%営業増益、17年3月期も増益、連続増配、医療用、コンシューマとも主力製品が牽引

■月足チャート下値固め進み出番近い

 ゼリア新薬工業<4559>(東1・100株)の2016年3月期は前期の減益を取り戻す大幅増益、続く17年3月期も続伸、連続1円増配の年32円配当とする。海外における潰瘍性大腸炎治療剤『アサコール』の伸長などが寄与する。海外比率は16年3月期で20.2%(15年3月期17.2%)にアップしている。株価は14年1月に3170円の高値後、15年3月期の減益で1281円(16年1月)まで下げていたが、業績向上から1480円台に反発、本格的な出直りの局面を迎えている。

 「医療用医薬品事業」と、「コンシューマヘルスケア事業」の2本柱経営で売上構成はほぼ半々だ。16年3月期の全体の売上は2.4%増加した。医療用医薬品事業は0.5%減少した。同事業の主力製品である「アサコール」は、国内は順調だったが、海外がスイスフラン高の影響を受けた。一方、コンシューマヘルスケア事業は6.1%増と好調だった。同事業主力製品群の「ヘパリーゼ群」の認知度がさらに向上し売上を拡大した。コンビニ向け「ヘパリーゼW群」の製品ラインアップ強化で「ヘパリーゼWスパーリング」、「ヘパーリーゼWプレミアム」を投入した効果も寄与した。

 17年3月期は売上5.6%増の660億円、営業利益5.1%増の48億円、純益2.5%増の36億円,EPS67.7円の見通し。配当は年32円(前期年31円)の見通し。とくに、営業利益は16年3月期の70.4%増益に続いて増益。海外において、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」が好調、および、炎症腸疾患治療剤「Entocort」が通期寄与する。研究開発費が引き続き高水準だが主力製品の伸長で吸収し増益の見通し。

 株価は14年1月高値3170円から今年1月の1281円まで、日柄で2年、下落率で約60%調整したことで底打ち確認とみられる。利回り2.2%、PER21倍。PERでの割安感はそれほどないが利回りでは魅力がある。今のマーケッ人気の円安関連買いが一巡し、内需関連が注目されるようになれば高値と安値の「中間値」である2225円前後を目指すものとみられる。月足チャートが下値固めとなっている1400円台は中期注目水準といえる。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国内初、HVO51%混合燃料が建設現場で稼働  大成建設<1801>(東証プライム)とユーグレナ…
  2. ■従来の制作プロセスを刷新しAI時代の人材育成を推進  武蔵精密工業<7220>(東証プライム)は…
  3. ■高速道路で手放し運転が可能に、新開発「Honda SENSING 360+」がACCORDの運転支…
2025年7月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
28293031  

ピックアップ記事

  1. ■内需株に広がる「トランプ・ディール」回避の波  東京電力ホールディングス<9501>(東証プライ…
  2. ■日米関税交渉、7月9日に運命の日「90日猶予」迫る潮目  「三日、三月、三年」とは、潮目、変わり…
  3. ■祝日と金融政策が交錯する7月  7月は、7月21日が「海の日」が国民の祝日に制定されてからフシ目…
  4. ■「MMGA」効果の造船株・海運株は「海の日」月間キャンペーン相場も加わり一段高を期待  あと1カ…
  5. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  6. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る