【中期経営計画でみる株価】京写は2020年、『一流になる』、プリント配線基板で世界で不動の地位、1部上場も

■20年の営業利益前期比3.3倍、中長期投資に有望

 京写<6837>(JQ・1000株)は、前中期経営計画は中国経済減速の影響から足踏みとなったが、今年からスタートの新中期経営計画(2016年~2020年)では最終年の営業利益を16年3月期比3.2倍を目指している。株価は15年3月に高値849円後、16年3月期の減益から今年2月に235円まで調整。足元では310円台に反発、新中期経営計画を好感する展開となっている。とくに、株主数が500名増加したといい、同社株ファンが増えている。

 同社の児嶋一登社長(写真)は、「2015年3月期までは前中期経営計画は順調な推移だったが、計画最終の16年3月期が中国経済急減速による稼働率の低下と円安による輸入販売品や原材料等の調達コスト増から苦戦、中期経営計画は未達に終わった。直ちに、海外工場でリストラ及び在庫調整を行ったことで収益向上のための対応はできた。新中期経営計画では、片面板事業は未開拓地域及び非日系の新規顧客への拡販、両面板事業においては中国、東南アジア、北米への拡販、とくに車載メーカーの新規開拓と海外工場の設置を計画している。実装関連事業は、治具については国内外拡販及び新用途の開発、実装は国内成長分野への特化と自動化による効率化を推進していく。さらに、新規事業についてもプリント配線基板の上流・下流及び関連分野への進出、産学連携による産業利用々途の製品開発に取り組んでいく。2020年度には売上280億円、営業利益17億円、営業利益率6.0%を目標としている」という。

 16年3月期は前期比9.5%増収、営業利益43.5%減益、営業利益率2.7%だった。17年3月期は売上3.2%増の200億円、営業利益44.9%増の7億5000万円、EPS34.8円(16年3月期33.0円)、配当は年8円継続の見通し。

 とくに、注目されることは、中期経営計画の1行目に、『一流になる』と記されていることだ。片面プリント基板ではグローバル展開する世界最大手で、さらに両面プリント基板を強化し世界一流メーカーとしての対場を不動のものとするということだろう。また、「一流になる」ということには、「1部上場」ということも含まれているように思われる。

 6月3日(金)の終値319円は配当利回り2.5%、PER9.1倍。中期経営計画最終年度では恐らくEPS60~80円、配当も年10円が期待されるだろうから中長期投資にはぴったりの銘柄といえるだろう。

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