【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】自分はあと何年生きられるのか?

ドクター箱崎幸也 健康増進実践法

 4、5月号で米国の健康寿命推測ツールを紹介しました。6月4日には世界的に権威ある英国医学雑誌ランセット(Lancet 2015年6月4日電子版)に、新たな健康寿命推定ツールが発表されました。この研究は37~73歳の英国人約50万人の喫煙習慣,歩行速度などの655個の健康や生活習慣に関するデータを解析し、死亡予測を男女別に評価したものです。別の集団3万5,810人で正確性を確認した点で、他のツールより信頼性が高いと評価されています。

女性11項目,男性13項目の質問
(1)年齢
(2)性別
(3)自家用車を何台保有しているか
(4)同居家族の人数は
(5)家族構成は
(6)現在喫煙中か,
(7)過去に喫煙習慣はあったのか
(8)全般的な健康状態は良好か
(9)糖尿病はあるのか
(10)癌を診断されたことは
(11)心筋梗塞や脳卒中などがあったのか
(12)精神的や経済的問題はあるのか,
(13)介護手当,障害者年金の受給や観光ガイド資格を保有しているのか。

 これらに自主回答するだけで、5年以内の死亡リスク推定が可能です。全リスクの最も強い予測因子は、男性では「自己評価による健康状態」,女性では「がん診断歴」でした。

 また「UbbLE年齢」(健康訂正年齢)がユニークで、自分の死亡リスクが実際何歳に相当するかが判明します。例えば、5年以内の死亡リスクが2.5%だった場合、実際の年齢が60歳であっても2.5%は52歳の「UbbLE年齢」となります。自分自身の健康訂正年齢を把握し、少しでも実年齢から低くなるように日々の生活習慣を見直すことが重要です。しかしこの健康寿命推測ツールに縛られ、心配しすぎるのは感心しません。この13項目は、サクセスフル・エイジング「大きな疾患や障害がなく、高い身体・認知機能を維持し、家族や近隣との良好な関係性を保持し社会貢献を行う」の達成に良く合致します。5年以内の死亡リスクを知ることで、ご自身の健康意識向上により13項目を見直し改善することが望ましいと考えます。(箱崎幸也=元気会横浜病院々長・元自衛隊中央病院消化器内科部長)

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