【アナリスト水田雅展の銘柄分析】キーコーヒーは戻り歩調で14年9月高値試す、15年3月期業績に増額の可能性

銘柄分析

 レギュラーコーヒー大手キーコーヒー<2594>(東1)の株価は、14年10月安値1555円から切り返して戻り歩調の展開だ。12月30日と1月5日には1678円まで上値を伸ばした。今期(15年3月期)業績見通し増額の可能性があり、14年9月高値1700円を試す展開だろう。

 コーヒー関連事業(業務用・家庭用レギュラーコーヒーの製造・販売)を主力として、飲食事業(イタリアントマト、アマンド)も展開している。ブランド力強化、収益力強化、グループ連携強化を柱として、新商品の開発・投入、新たな事業領域の開拓を強化している。イタリアントマトの14年9月末店舗数は直営84店舗、FC224店舗の合計308店舗で、海外はASEAN地域へ積極展開している。

 積極的な業容拡大戦略で、13年1月に銀座ルノアール<9853>を持分法適用会社化し、14年2月にネット通販事業拡大に向けてコーヒー豆焙煎加工販売のhonu加藤珈琲店を子会社化した。14年9月にはイタリアの世界有数のコーヒーメーカーであるillycaffe S.p.Aと、illyブランドのレギュラーコーヒー製品全般について日本国内での独占販売契約を締結した。

 なお1月8日には、家電量販店ビックカメラ<3048>の基幹店舗である有楽町店7階に、セルフカフェでありながら本格的な味わいを提供する「キーズカフェ ビックカメラ有楽町店」をオープンした。

 今期(15年3月期)の連結業績見通し(10月27日に売上高を増額、利益を減額)は売上高が前期比2.6%増の550億円、営業利益が同40.5%減の9億20百万円、経常利益が同31.0%減の13億40百万円、純利益が同28.9%減の7億30百万円としている。配当予想(5月12日公表)は同1円増配の年間16円(第2四半期末8円、期末8円)としている。

 第2四半期累計(4月~9月)は、消費増税や夏場の天候不順などが影響して前年同期比0.8%増収にとどまり、コーヒー生豆など原材料価格の上昇が影響して同21.2%営業減益、同15.0%経常減益、同31.3%最終減益だった。

 しかし通期見通しに対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.1%、営業利益が81.5%、経常利益が73.7%、純利益が67.5%と高水準である。天候やコーヒー生豆相場の動向で収益が変動しやすいが、業務用市場でのプレミアムコーヒーの拡販、14年11月から実施した家庭用レギュラーコーヒー製品(ブルーマウンテン製品除く)の値上げ効果、さらにhonu加藤珈琲店の連結も寄与して、通期業績見通しに増額の可能性があるだろう。

 株主優待については、毎年3月末日および9月末日現在の100株以上所有株主に対して自社製品詰め合わせを贈呈している。100株以上~300株未満所有株主に対しては1000円相当、300株以上~1000株未満所有株主に対しては3000円相当、1000株以上所有株主に対しては5000円相当を贈呈する。

 株価の動きを見ると、14年10月安値1555円から切り返して戻り歩調の展開だ。12月30日と1月5日には1678円まで上値を伸ばして14年9月高値1700円に接近した。

 1月16日の終値1658円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS32円18銭で算出)は52倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間16円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1541円85銭で算出)は1.1倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形だ。週足チャートで見ると26週移動平均線を突破して上伸し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜くゴールデンクロスが接近している。強基調の形だ。今期業績見通しに増額の可能性があり14年9月高値1700円を試す展開だろう。

>>キーコーヒーのMedia-IR企業情報

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る