【季節の一枚】早春の百草園

 百草園(もぐさ・えん)は、造りは明らかに日本庭園だが、急な坂道、手すりのついた急な階段が続き、山全体が庭園という、われわれが日頃、見慣れれている庭園とはひと味違う趣である。頂上近くのなだらかなところには池や庵もある。

多摩丘陵の一角にあり、とくに、高い山というわけではないが、百草駅から200メートルも行くと急勾配の手すりのついた住宅道路が始まる。300円を払って園を入ると一気に急勾配の階段が待ち構えている。手すりに頼って息を切らせて登る。途中にヌイセンやロウバイ、ほころび始めた梅が迎えてくれる。さらに、頂上の見晴台では西に富士山、東に東京都心、目のいい人ならスカイツリーも臨める。登ってよかった、と感激できる。

平安時代から鎌倉時代にかけ真慈悲寺という大寺院がここにあったという。江戸時代に松連寺として建立され、その後、生糸商人青木角蔵によって1887年(明治20年)に開園、1957年から京王電鉄の所有となっているという。

徳富蘆花、大田南畝、田山花袋、北村透谷、若山牧水などがこよなく愛し訪れたそうで、牧水はこの地で、恋人小枝子との失恋を歌にした、「独り歌へる」がつくられたという。園内には芭蕉の句碑が木々の緑の中に佇んでいる。

ただ、脚力に自信のない方、車椅子などは残念ながら訪れることは難しい。京王線で新宿から40分前後である。

mogusa3_2

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る