【鈴木雅光の投信Now】初めての人は、どの投資信託を買えば良いのだろうか

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 国内で設定・運用されている公募投資信託の本数は、2016年9月末時点で6043本になりました。公募投資信託の本数が6000本を超えていたのは、1996年9月の6041本が最後なので、20年ぶりのことです。その後、2004年6月にかけて、本数は2531本まで減少し、それ以降、多少の増減はあったものの、この12年間は増加の一途をたどっています。

 これだけの本数があると、初めて投資信託を買うという人は、どうやって選べば良いのか分からないでしょう。

 投資信託にもさまざまな種類があります。最近は金価格の上昇によって、金鉱企業の株式に投資する投資信託が注目を集めていますし、投資信託関連のニュースを検索すると、「この投資信託が人気を集めている」、「あの投資信託が好成績を収めている」、「今度、こういうテーマに基づいて銘柄を選んだ投資信託が設定される」といった情報が氾濫していますから、どうしても目移りしてしまいます。

 でも、初めて買う1本は、オーソドックスなものがお勧めです。要するに、ポートフォリオのベースになるようなものを持つようにします。具体的には、世界中の株式市場に分散投資するタイプの投資信託です。たとえば、MSCIコクサイという、先進国の株式市場に分散投資したのと同じ効果が期待できるインデックスに連動する投資信託などが、これに該当します。正直、それ以外のタイプの投資信託は、考えなくても良いでしょう。

 仮に、もう1本、別なタイプの投資信託に分散投資させるのであれば、MSCIコクサイはあくまでも先進国の株式市場のみを対象にしているので、MSCIエマージングという、新興国の株式市場に広く分散投資するタイプの投資信託を加えても良いかも知れません。ただ、新興国の株式市場はかなり値動きが激しいので、リスク資産に投資できる資金が100だとしたら、20、30という程度に抑えておくべきです。

 テーマ型投資信託、特定の資産のみに集中投資する投資信託などは、自分の趣味の範囲で投資するならば良いのですが、ポートフォリオのベースとして持つには相応しくありません。この10数年にわたって人気を集めた外国債券に投資するタイプも、長期投資で資産を殖やすという前提で投資信託を選ぶなら、特に買う必要はないでしょう。初めての投資信託は、世界中の株式市場に分散投資するものを前提にして、純資産総額で100億円程度のものから選ぶのがお勧めです。

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