【株式評論家の視点】富士ソフトSBは中長期の成長を見込む、割安感に利回り妙味もソコソコある

株式評論家の視点

 富士ソフトサービスビューロ<6188>(JQS)は、本年3月15日に東京証券取引所JASDAQ市場(スタンダード)に上場。同社は、官公庁や金融業界向けのデータエントリー(電算入力)の専門会社として1984年にサービスを開始した後、顧客の業務効率化、合理化のニーズに的確に応えるよう、積極的に事業領域の拡大を図り、現在ではコールセンター・BPO・ITをフルパッケージで提供する「トータル・アウトソーシング企業」として、サービスの付加価値向上に取り組んでいる。

 主に年金相談、ITヘルプデスク、金融系に特化したサービスの拡大を図っているが、コールセンターサービス分野では、官公庁、地方自治体向けの既存案件を中心に好調に推移。BPOサービス分野では、臨時福祉給付金給付に関する業務を複数の地方自治体から新規受注と継続受注したほか、本年10月から稼働した日本年金機構の「事務センターにおける入力業務・共同処理委託」案件を7つの地域で受注するなど、中長期の成長に寄与する受注活動を推進している。

 11月8日大引け後に発表した今2017年3月期第2四半期業績実績は、売上高が37億0900万円、営業利益が3000万円、経常利益が3000万円、純利益が2000万円に着地。

 今17年3月期通期業績予想は、売上高が83億円(前期比5.6%増)、営業利益が2億7000万円(同7.8%増)、経常利益が2億7000万円(同6.9%増)、純利益は1億7200万円(同5.5%増)を見込んでいる。配当は期末一括20.0円継続を予定している。

 株価は、3月15日につけた上場来の高値1170円から6月24日に上場来の安値567円まで調整。600円割れで下値を固め9月27日高値787円と買い直された後、11月9日安値613円と下げてモミ合っている。同社では、今後も大型案件で培ってきたノウハウを活かし、「専門性」「品質」に重点を置いた「特化型コールセンターを中心としたBPOサービス」を積極的に推進していく方針。今3月期業績は10月の案件稼働に1,000名規模の大型採用など先行費用が発生するため小幅増益となる見通しだが、来18年3月期業績は2ケタ増益が観測されており、中長期的な成長が見込まれている。今期予想PER8倍台と割安感があり、配当利回り約3%と利回り妙味もソコソコある。日柄調整が進めば、上値を試す展開が十分期待されることから、押し目買い妙味が膨らみそうだ。(株式評論家・信濃川)

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