オンコリスバイオファーマは食道がん患者を対象としたPhaseⅠ臨床試験の治験実施申請を医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出

株式市場 銘柄

■テロメライシンの安全性・有効性・腫瘍免疫応答の評価を実施する予定

 オンコリスバイオファーマ<4588>(東マ)は、国内で同社初となる腫瘍溶解ウイルス テロメライシン(OBP‐301)の企業治験を実施するため、食道がん患者を対象としたPhaseⅠ臨床試験の治験実施申請を医薬品医療機器総合機構(PMDA)へ提出した。

 本試験では、外科手術による切除や根治的化学放射線療法が困難な食道がん患者を対象として、放射線治療併用によるテロメライシンの安全性・有効性・腫瘍免疫応答の評価を実施する予定。国内では、既に、岡山大学藤原俊義教授による同疾患を対象としたテロメライシンと放射線の併用に関する医師主導臨床研究が進行しているが、今回のPhaseⅠ臨床試験は、同社が実施する企業治験となる。

 テロメライシンは米国で各種固形がんを対象とするPhaseⅠ臨床試験が完了しており、その安全性が確認された。また、一部の症例ではテロメライシン投与部位で腫瘍の縮小効果と腫瘍免疫反応が認められ、更に、遠隔効果を示唆する非投与部位での腫瘍縮小が観察された。

 現在、海外では台湾・韓国で肝細胞がんを対象としたPhaseⅠ/Ⅱ臨床試験が進行中のほか、平成28年8月には米国食品医薬品局(FDA)に対し、悪性黒色腫(メラノーマ)を適応症とするPhaseⅡ臨床試験開始のためのプロトコル申請を実施している。

 また、国内では先述の岡山大学での食道がんを対象とした医師主導臨床研究が進行すると共に、国立がん研究センター東病院と、進行性又は転移性固形がん患者を対象とした他の治療法との併用による効果検討に関する医師主導治験契約の締結を決定している。

 本臨床試験は、テロメライシンに関し日本国内で実施される初めての企業治験となる。同社は、「がんを切らずに治す」というコンセプトに基づき開発を進めているテロメライシンと他の治療法との併用に関する研究開発を進めていくことで、医療現場の一助となるがん治療法の発展に貢献していくことを、今後も目指している。

 なお、本件による平成29年12月期業績への影響はない。また、平成29年12月期中に、本企業治験のPhaseⅠ臨床試験推進を目的とした、希薄化を伴う新たな資金調達予定もないとしている。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. 【ダブルセット・フルセット銘柄、夏休み明けも底堅さに期待】 ■上方修正・増配・株式分割の好材料銘柄…
  2. ■上方修正・下方修正問わず買い集まる異例の展開  3連休入りした9日の成田空港では、夏休みを海外で…
  3. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  4. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  5. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  6. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る