【新規上場(IPO)銘柄】ジャパンエレベーターサービスHDは過去5年間で、計15,000台の新規保守契約を獲得

株式市場 IPO 鐘

 ジャパンエレベーターサービスホールディングス<6544>(東マ)は、 3月17日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社はエレベーターのメンテナンス業務を行っている。独立系保守会社として、主要メーカー全社に対応できる高度な技術力と純正部品の調達力を強みに、質の高いサービスを安価で提供している。2016年12月末日現在、同社グループで契約しているエレベーター数は約38,000台。特に過去5年間は、毎年約3,000台のペースで増加し、計15,000台の新規保守契約を獲得している。

 2017年3月期は、リニューアル業務の売上高拡大のため、設置から一定年数経過したエレベーターを保有する既存顧客に対して積極的なリニューアル提案を行うとともに、保守・保全業務の契約先ではない顧客層にも積極的にアプローチしている。16年4月からリニューアル営業体制を刷新し、各事業会社の営業担当者を組織的に一体化し情報の共有を図り、客先への提案力の増強に取り組んでいるほか、同社の基幹サービスとなる保守・保全業務の売上拡大についても、新規の事業展開エリアである名古屋・東海地区を始め既存の事業展開エリアにおける保守・保全業務の契約先を増加させるため、営業担当者へのインセンティブを内容とする営業キャンペーン等の施策を実施している。

 2017年3月期第3四半期業績実績は、売上高が97億8000万円、営業利益が3億0400万円、経常利益が2億9300万円、純利益が1億4900万円に着地。

 17年3月期業績予想は、売上高が133億4300万円(前期比12.2%増)、営業利益が5億0200万円(同31.1%減)、経常利益4億3000万円(同38.4%減)、純利益が2億5500万円(同36.6%減)を見込む。上場で調達する約10億円は開発センターの建設費などに充当するほか、M&A(合併・買収)で西日本の営業拠点も増やす計画。上場から1年以内に東証1部への市場変更を目指し、配当はその後に検討する予定。

 株価は、3月17日に公開価格550円を61.8%上回る890円で初値を付けた後、同日はストップ高の1040円まで上昇。23日高値1310円と買い進まれIPO人気が続いている。17年3月期減益見込みだが、主要メーカー全社に対応できる高度な技術力と純正部品の調達力を強みに、質の高いサービスを安価で提供していることから、西日本への営業展開に対する期待感がある。また、早期に東証1部への変更を目指していることから、下値を切り上げる形で上値を試しており、目先人気が続く可能性もありそうだ。(株式評論家・信濃川)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■歯周病の進行抑制に向け、老廃物除去と免疫調整の2軸で研究  ライオン<4912>(東証プライム)…
  2. ■バリア性能と印刷適性を両立、2030年までに10億円売上目指す  大日本印刷<7912>(東証プ…
  3. ■胃がん・大腸がん対策で「Train the Trainerプログラム」を展開  オリンパス<77…
2025年9月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930  

ピックアップ記事

  1. ■金先物相場を背景に産金株が収益拡大の余地を示す  東京市場では金価格の上昇を背景に産金株が年初来…
  2. ■大統領の交渉術が金融市場を左右し投資家心理に波及  米国のトランプ大統領は、ギリシャ神話に登場す…
  3. ■価格改定効果に加え9月以降の値上げで業績上乗せが期待される銘柄  今週の当コラムは、9月に価格改…
  4. ■9月1日に値上げラッシュの食品株は日銀バトルで小緩んでも株高持続性  まさに「パウエル・プット」…
  5. ■メガバンク株は業績修正や自己株取得が焦点、再編思惑も視野  銀行株やコメ関連株は盆休み明けの注目…
  6. ■日経平均史上最高値更新、夏枯れ懸念を払拭  前週末15日のマーケットは、お盆を象徴するかのように…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る