【どう見るこの相場】決算発表一巡してやや材料難、地政学リスクも再燃の可能性

どう見るこの相場

 今週5月15日~19日の株式市場は、15日に17年3月期決算発表が一巡してやや材料難となりそうだ。また14日の北朝鮮のミサイル発射で地政学リスクに対する警戒感が再燃する可能性もあり、全体としては利益確定売り優勢の展開となりそうだ。

 前週5月8日~12日は、7日投票の仏大統領選挙で中道系独立候補のマクロン前経済相が圧勝したことを好感し、さらに北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感もやや後退した。為替は1ドル=114円台前半までドル高・円安方向に傾いた。日経平均株価も5月11日に1万9989円94銭まで上伸し、15年12月以来の2万円台回復に、あと10円06銭まで迫る場面があった。

 ただし10日発表のトヨタ自動車<7203>の18年3月期連結業績予想は2期連続減益予想となった。保守的な会社予想は想定どおりであり、上振れ濃厚との見方で市場観測は一致しているが、それでも株価の反応は悪材料出尽くしとはならず上値の重い展開となった。また週末12日は米4月小売売上高が市場予想を下回り、為替は1ドル=113円台前半までドル安・円高方向に傾いた。

 このような状況下で、今週は15日に17年3月期決算発表が一巡してやや材料難となりそうだ。また14日の北朝鮮のミサイル発射で地政学リスクに対する警戒感が再燃する可能性もあるだろう。さらに自動車販売のピークアウト感などで、米国の景気先行きに不透明感が広がってきたことも弱材料だ。需給面では海外投資家の買い越し基調が安心感に繋がるが、一方では日経リンク債の早期償還に伴う先物の売り需要が2万円台回復の圧力として意識されている。

 好業績・好材料の個別銘柄物色が期待されるが、全体としては利益確定売りや戻り待ちの売りが優勢になりそうだ。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る