【業績でみる株価】扶桑化学工業は上場来高値更新の展開、18年3月期も増収増益・増配予想

 食品用果実酸類のライフサイエンス事業、および半導体ウェーハ研磨材原料の電子材料・機能性化学品事業を展開している扶桑化学工業<4368>(東1)の17年3月期は大幅増益・増配だった。そして18年3月期も増収増益・増配予想である。株価は上場来高値更新の展開となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

 5月8日発表した17年3月期連結業績は、売上高が16年3月期比2.6%増の362億24百万円、営業利益が同35.6%増の98億67百万円、経常利益が同37.5%増の100億38百万円、純利益が同46.2%増の68億95百万円だった。2月1日の2回目の増額修正値を上回る大幅増益だった。配当は同8円増配の年間43円(第2四半期末18円、期末25円)とした。

 海外子会社の円換算影響に加えて、下期の大規模設備工事に伴う生産停止も製造原価に影響したが、ライフサイエンス事業における果実酸の原料価格の下落、電子材料・機能性化学品事業における半導体プロセス微細化進展に伴う超高純度コロイダルシリカの需要拡大、ナノパウダーなど半導体研磨分野以外の製品の好調などで大幅増益だった。

 18年3月期連結業績予想は売上高が17年3月期比6.3%増の385億円、営業利益が同1.8%増の100億50百万円、経常利益が同0.6%増の101億円、純利益が同0.8%増の69億50百万円としている。配当予想は同1円増配の年間44円(第2四半期末22円、期末22円)としている。

 減価償却費の増加、原料価格の上昇、エネルギーコストの増加を見込んで微増益予想としているが、果実酸類、超高純度コロイダルシリカ、ナノパウダーなどが引き続き好調に推移して好業績が予想される。

 株価は高値圏3000円~3500円近辺での短期モミ合いから上放れて、上場来高値更新の展開となった。5月9日には3860円まで上伸した。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなり、中段保ち合いから上放れの形となった。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(MM)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■銀座の呉服店「むら田」店主・村田あき子の語りをまとめた書籍  KADOKAWA<9468>(東証…
  2. ■長時間立ち仕事や長距離歩行の負担軽減、安全で快適な勤務環境を整備  日本航空(JAL)<9201…
  3. ■「ポケモンフォレスト」と「カヤツリタウン」2エリア構成、冒険とイベントを一体化  よみうりランド…
2025年12月
1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
293031  

ピックアップ記事

  1. ■日銀イベント通過で円高前提、紙・パ株が師走相場の主役候補  今週のコラムは、日銀の金融政策決定会…
  2. ■FOMC通過も市場は波乱、金利と為替に残る違和感  FRB(米連邦準備制度理事会)のFOMC(公…
  3. ■眠れる6900トンの金が動き出す、「都市鉱山」開発でリデュース株に追い風  今週の当コラムは、金…
  4. ■天下分け目の12月10日、FRB利下げで年末相場は天国か地獄か?  天下分け目の12月10日であ…
  5. ■AI・データセンター需要拡大に対応、測定能力は従来比最大2倍  リガク・ホールディングス<268…
  6. ■売り方手仕舞いで需給改善が後押し  師走相場では、リスクの大きい銘柄であっても、逆日歩のつく信用…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る