ゼリア新薬工業は年初来高値更新の展開、18年3月期増収増益・増配予想や自己株式取得を評価

日インタビュ新聞ロゴ

 ゼリア新薬工業<4559>(東1)は、消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開し、18年3月期増収増益・増配予想である。株価は年初来高値更新の展開となった。自己株式取得も評価して上値を試す展開が期待される。

■医療用医薬品事業とコンシューマーヘルスケア事業を展開

 消化器分野が中心の医療用医薬品事業、および一般用医薬品のコンシューマーヘルスケア事業を展開している。

 医療用医薬品事業は潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」を主力として、H2受容体拮抗剤「アシノン」や機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」なども展開している。15年7月にはアストラゼネカ社から炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort」の米国を除く全世界における権利を取得した。コンシューマーヘルスケア事業はヘパリーゼ群、コンドロイチン群、ウィズワン群を主力としている。

■消化器分野を最重点領域として新薬開発を推進

 新薬開発は消化器分野を最重点領域と位置付けている。膵臓癌を適応症とする「Z-360」は日本を含むアジア地域でフェーズ2国際共同治験中、子宮頸癌を適応症とする「Z-100」は日本を含むアジア地域でフェーズ3国際共同治験中、鉄欠乏性貧血治療剤「Z-213」はフェーズ3段階である。

■18年3月期増収増益・増配予想、主力製品が伸長

 今期(18年3月期)の連結業績予想(5月12日公表)は売上高が前期(17年3月期)比4.9%増の680億円、営業利益が同10.1%増の50億円、経常利益が同12.7%増の50億円、純利益が同7.2%増の38億円としている。配当予想は同2円増配の年間34円(第2四半期末17円、期末17円)で予想配当性向は47.5%となる。

 医療用医薬品事業では、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」が海外で伸長し、炎症性腸疾患(IBD)治療剤「Entocort」の寄与、機能性ディスペプシア治療剤「アコファイド」の市場構築などを見込んでいる。コンシューマーヘルスケア事業では、ヘパリーゼ群などの主力製品の伸長を見込んでいる。研究開発費や広告宣伝費の増加を増収効果で吸収する。

■株価は年初来高値更新の展開

 自己株式取得は取得株式総数の上限180万株、取得価額総額の上限36億円、取得期間17年6月19日~17年11月2日としている。株価は自己株式取得も好感して年初来高値更新の展開となった。7月6日には2123円円まで上伸した。

 7月6日の終値2103円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円54銭で算出)は29倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間34円で算出)は1.6%近辺、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1192円73銭で算出)は1.8倍近辺である。時価総額は約1117億円である。

 週足チャートで見ると窓を開けて急伸し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いて先高感を強めている。上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■9割超が対策を実施も、「WBGT」の認知は依然として低調  帝国データバンクの調査により、「熱中…
  2. ■「変身と成長」掲げ1300億円の積極投資、収益構造の転換図る  吉野家ホールディングス<9861…
  3. ■人手不足を補いながら顧客満足度の向上に貢献  シャープ<6753>(東証プライム)は5月20日、…
2025年6月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  

ピックアップ記事

  1. ■選挙関連の「新三羽烏」の株価動向をウオッチ  足元では野党が石破内閣への内閣不信認決議案提出を見…
  2. どう見るこの相場
    ■米、イラン核施設を電撃空爆、緊張激化へ  「2週間以内」と言っていたのが、わずか「2日」である。…
  3. ■イスラエル・イラン衝突でリスク回避売りが優勢に  イスラエルのイラン攻撃を受け、13日の日経平均…
  4. ■ホルムズ海峡封鎖なら「油の一滴は血の一滴」、日本経済は瀬戸際へ  コメ価格が高騰する「食料安全保…
  5. ■トランプリスク回避へ、大谷・藤井・大の里株が浮上  『おーいお茶』を展開する伊藤園<2593>は…
  6. ■昭和の象徴、長嶋茂雄さん死去  またまた「昭和は遠くなりにけり」である。プロ野球のスパースター選…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る