【株式評論家の視点】ヤマシンフィルタの今期配当は期末一括56円で利回り2%、PERは11倍、2ケタ増益で割安

株式評論家の視点

ヤマシンフィルタ<6240>(東2)は2820円と続伸している。同社は、建機用油圧フィルタで業界トップシェアを誇る。

10月8日に東京証券取引所市場第2部に上場。仕濾過事(ろかじにつかふる)を経営理念にフィルタビジネスを通じて社会に貢献している。油圧回路の作動油、燃料のディーゼル・ オイル、エンジン駆動に必要な潤滑油のろ過用フィルタを製造販売を行っているほか、工作機械、プレス機械、鉄道車両、農機、船舶など、多様な業界に機械用オイル・フィルタを提供。電子部品、液晶、食品などの製造工程でのろ過・分離用フィルタを提供している。

同社は、強みである油圧ショベルの作動油回路用フィルタ製品に加え、燃料用フィルタを市場に投入し、フィルタ製品のラインナップの充実を図り、建設機械メーカの需要拡大に努めているほか、中国・アジア市場においては、補給部品の純正率向上に建設機械メーカと共同で取り組み、純正品を使用するメリットをエンドユーザに訴求することで、純正部品の採用率向上に努めている。

4日に発表した今3月期第3四半期決算は、売上高が79億9500万円(、営業利益が6億9500万円、経常利益が6億7800万円、純利益が3億8600万円に着地。

通期業績予想は、売上高が106億3700万円(前期比1.0%増)、営業利益が8億2500万円(同16.3%増)、経常利益が8億0500万円(同13.5%増)、純利益が4億6300万円(同37.5%増)を見込んでいる。年間配当は期末一括56円(同16円増)を予定している。売上高については、主に中国市場の景気低迷による建機販売の鈍化により、当初の計画を若干下回る見込みだが、営業利益と経常利益は若干上回る。純利益についしては、米国キャタピラー社からの同社製品(大型エンジン用オイルフィルタ製品)の不具合に起因した損害賠償請求による特別損失等の計上により、当初計画を若干下回る見通しだが、続伸を見込んでいる。

株価は、昨年10月14日につけた上場来の高値4200円から1月19日に上場来の安値2710円まで35%調整。その後、2800円を割れで下値モミ合いとなっている。建機以外に航空機、自動車、船舶向けにフィルターを強化する見通しで、今後の成長も期待されている。今期予想PER11倍台と割安感があり、配当利回り約2%と利回り妙味もソコソコありに見直し余地が拡がる。下値不安も少なくここからの押し目は中長期で注目されそうだ。(信濃川)

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