【アナリスト水田雅展の銘柄分析】OBARA GROUPは15年9月期業績の増額修正を好感して急伸、再増額期待で上値追い

銘柄分析

溶接機器や平面研磨装置のOBARA GROUP<6877>(東1)は2月12日に第1四半期(10月~12月)の業績を発表し、第2四半期累計(10月~3月)および通期見通しを増額修正した。株価は13日終値で前日比580円高の6210円、そして16日は取引時間中に6550円まで急伸した。目先的にはやや過熱感もあるが、今期(15年9月期)業績の再増額期待で上値追いの展開だろう。

自動車業界向け抵抗溶接機器や造船・建設業界向けアーク溶接機器を主力とする溶接機器関連事業、エレクトロニクス業界向け平面研磨装置や洗浄装置を主力とする平面研磨装置関連事業を展開している。

2月12日に発表した今期(15年9月期)第1四半期(10月~12月)の連結業績は、売上高が前年同期比9.5%増の122億58百万円、営業利益が同23.4%増の24億46百万円、経常利益が同13.0%増の27億36百万円、純利益が同1.9%減の14億82百万円だった。純利益は税金費用の増加で減益だったが、エレクトロニクス業界の設備投資・生産活動の回復で平面研磨装置関連事業の収益が大幅に改善した。

セグメント別(内部売上高・全社費用等調整前)に見ると、溶接機器関連事業は売上高が同0.1%減の89億18百万円で、営業利益は同6.9%減の19億87百万円だった。平面研磨装置関連事業は売上高が同47.3%増の33億43百万円で、営業利益は同11.8倍の5億45百万円だった。

そして2月12日に第2四半期累計(14年10月~15年3月)および通期の業績見通しを増額修正した。アジア地域での受注が堅調であり、為替のドル高・円安が想定以上に進行していることも寄与する。想定為替レートは1米ドル=107円から1米ドル=117円に変更した。

通期の連結業績見通しについては、前回予想(11月10日公表)に対して売上高を48億円増額して前期比9.3%増の522億円、営業利益を10億50百万円増額して同6.3%増の95億円、経常利益を13億50百万円増額して同2.5%増の99億円、純利益を5億円増額して同3.0%減の60億円とした。営業利益と経常利益は減益見通しから一転して増益見通しとなった。

配当予想は前回予想(11月10日公表)を据え置いて年間60円(第2四半期末30円、期末30円)としている。前期のとの比較で見ると、記念配当10円を落としたが普通配当ベースでは前期と同額である。

修正後の通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高23.5%、営業利益25.8%、経常利益27.6%、純利益24.7%である。自動車関連の設備投資需要は国内外で高水準であり、溶接機器関連事業の好調推移が予想される。また平面研磨装置関連事業はエレクトロニクス関連業界向けが回復基調だ。為替のドル高・円安進行も追い風であり、通期再増額の可能性があるだろう。

株価の動きを見ると高値更新の展開が続いている。2月12日の今期業績見通し増額修正を好感して、13日は終値で前日比580円高の6210円、そして16日は取引時間中に6550円まで急伸する場面があった。

2月17日の終値6300円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS310円88銭で算出)は20倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間60円で算出)は1.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS1959円17銭で算出)は3.2倍近辺である。

日足チャートで見ると25日移動平均線に対するプラス乖離率が拡大して目先的にはやや過熱感もあるが、週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって強基調の形だ。今期業績見通し再増額期待で上値追いの展開だろう。

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