【新規上場(IPO)銘柄】UUUMは売り一巡し出直る動き、8月月間動画再生回数は30億回を突破

株式市場 IPO 鐘

 UUUM<3990>(東マ)は、8月30日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、YouTuberを中心とするクリエイターをサポートしながら、様々なコンテンツを世の中に発信している。その中でもYouTube上の広告収益の一部をYouTubeから受領するアドセンス収益と、顧客企業の商品やサービスを紹介する動画を制作・公開する広告収益が同社収益の大部分を占めている。このほか、自社サービスとして、主に動画制作収益やゲーム収益を計上している。

 アドセンス収益では、YouTube上の動画視聴に付随して発生する広告収益のうち一部が収益としてクリエイターに還元されているが、同社所属のクリエイターがYouTubeに投稿した動画の場合、Google Inc.から提供をうけるCMS機能により、同社がそこで発生したアドセンス収益を一括して受け取り、これをアドセンス収益として計上し、一部をクリエイターに支払っている。広告収益では、広告主の商品やサービスを紹介するタイアップ動画をクリエイターが制作し、自身のYouTubeチャンネルに公開する対価として、広告主より動画制作費を受け取り、その一部をクリエイターに支払う。同社営業社員が広告主や広告代理店に対してクリエイターを活用したプロモーションの提案を行い、受注後は動画制作をサポートしている。

 今2018年5月期第2四半期業績予想は、売上高37億7600万円、営業利益5500万円、経常利益3700万円、純利益2500万円を見込む。

 今18年5月期業績予想は、売上高89億7900万円(前期比28.6%増)、営業利益4億円(同11.6%増)、経常利益3億8100万円(同8.9%増)、純利益2億5900万円(同0.8%増)と続伸を見込む。上場で調達した資金は人件費や広告宣伝費などに充てる計画で成長投資を優先し、年間配当は無配を予定している。

 株価は、上場2日目の8月31日に公開価格2050円の3.27倍相当の6700円で初値をつけた後、同日高値6800円と買い進まれた後、9月8日安値4400円まで調整。同15日安値4460円と売り直され下値を確認し、上昇している。国内の動画広告市場は2016年の842億円から20年には約3倍に拡大する見通しで、HIKAKIN、はじめしゃちょー、佐々木あさひなど人気のYouTuberをはじめとして、商品レビュー、お笑い、ビューティー、ゲーム実況など多種多様な4,300名以上ものYouTuberネットワークを築いていることが強みとなっている。8月の月間動画再生回数が設立後初めて30億回を突破。目先の売り一巡感から出直る動きで、高値奪回となるか市場の注目を集めそうだ。(株式評論家・信濃川) 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る