【注目銘柄】日本ゼオンは06年高値に接近、18年3月期増額して2桁営業増益予想

注目銘柄

 日本ゼオン<4205>(東1)に注目したい。タイヤ向けなど合成ゴムの大手である。合成ゴム、合成ラテックス、化成品などのエラストマー素材事業、および高機能樹脂・部材、情報材料、化学品などの高機能材料事業を展開している。18年3月期第2四半期累計と通期の予想を増額修正し、通期2桁営業増益予想である。そして通期予想には再増額余地がありそうだ。株価は06年高値に接近している。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。

■18年3月期2Q累計と通期の予想を増額、通期2桁営業増益予想

 9月29日に18年3月期第2四半期累計(4~9月)および通期の連結業績予想を増額修正した。エラストマー素材事業では海外の合成ゴムが好調に推移し、高機能材料事業ではテレビ向け光学フィルムや電池材料が大幅伸長している。

 第2四半期累計予想は売上高を250億円、営業利益を60億円、経常利益を80億円、純利益を60億円、通期予想は売上高を350億円、営業利益を60億円、経常利益を80億円、純利益を50億円、それぞれ増額した。

 修正後の通期連結業績予想は、売上高が17年3月期比13.0%増の3250億円、営業利益が13.8%増の350億円、経常利益が19.5%増の380億円、純利益が8.0%増の250億円とした。

 なお10月3日には、富山県氷見市の光学フィルム工場(製造子会社オプテス北陸工場氷見製造所)において、液晶テレビ用位相差フィルムの新ラインの本格稼働を開始したと発表している。

 修正後の通期予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が50.8%、営業利益が54.3%、経常利益が55.3%、純利益が56.0%となる。通期予想には再増額余地がありそうだ。

■株価は06年高値に接近、好業績評価して上値試す

 株価(10月1日付で単元株式数を1000株から100株に変更)は、10月4日に1517円まで上伸して8月高値1509円を突破した。そして06年2月高値1790円に接近している。週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインとなって1400円近辺での中段保ち合いから上放れる形だ。好業績を評価して上値を試す展開が期待される。(MM)

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