【どう見るこの相場】ドル高・円安と米国株高で日経平均株価は高値圏堅調推移

どう見るこの相場

 今週10月10~13日の株式市場は、地政学リスクに対して楽観すぎる感もあるが、米FRB(連邦準備制度理事会)の12月追加利上げを織り込む形で為替がドル高・円安水準で推移し、米国株高も好感する形で、日経平均株価は年初来高値圏で堅調な推移となりそうだ。

■為替がドル高・円安水準で日経平均株価は年初来高値圏

 前週(10月2~6日)の日経平均株価は、今年初の5日続伸で年初来高値更新の展開となり、週間ベースで334円43銭(1.64%)上昇した。6日の取引時間中には15年8月以来の高値水準となる2万721円15銭まで上昇した。為替が1ドル=112円台~113円台のドル高・円安水準で推移し、米国株が税制改革案への期待感で史上最高値更新の展開だったことも好感した。

 今週(10月10~6日)も日経平均株価は年初来高値圏で堅調な推移となりそうだ。前週末6日発表の米9月雇用統計は、ハリケーンによる一時的な影響で非農業部門雇用者増加数が7年ぶりにマイナスとなったが、市場の反応は限定的で、日本市場が休場だった9日も為替は1ドル=112円台後半で推移している。また国慶節休場明けの9日の中国の株式市場では上海総合指数が1年9ヶ月ぶりの高値をつけた。

 北朝鮮を巡る地政学リスクに関しては、10日の朝鮮労働党創立記念日や18日の中国共産党大会開幕に合わせたミサイル発射が警戒され、さらにトランプ米大統領の発言が軍事行動を示唆するのではないかとの憶測も呼んでいるが、市場には警戒感が見られない。安心感が満ち溢れているかのようだ。

 11日公表の米FOMC(連邦公開市場委員会)議事要旨の内容次第では、12月追加利上げを織り込む形で、米長期金利上昇と為替のドル高・円安に弾みがつく可能性もありそうだ。また米国では7~9月期決算発表が本格化する。決算発表を受けて米国株高が継続するかも注目点となる。

 国内では衆議院選挙が10日に公示され、22日の投開票に向けて選挙戦に突入する。現時点での各メディアの獲得議席数予測によると、自民党単独では過半数割れの可能性が指摘されているものの、自民・公明与党合計では過半数を維持する可能性が高く、当面の波乱要因は少ないと言えそうだ。投開票日までは株価が上昇しやすいというアノマリーも支援材料となりそうだ。

■ドル高・円安継続すればメガバンクや輸出関連

 物色面では為替次第となりそうだ。為替にリスクオフの動きが強まれば全体的に利益確定売りが優勢になるが、為替にリスクオフの動きが無くドル高・円安水準が継続すれば、メガバンクや輸出関連セクターを中心に主力大型株を買い戻す動きが継続しそうだ。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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