プラマテルズは上場来高値圏、18年3月期増額して大幅増益予想、さらに再増額の可能性

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 プラマテルズ<2714>(JQ)は合成樹脂の専門商社である。18年3月期は増額して大幅増益予想である。需要回復や高付加価値製品拡販などで再増額の可能性が高いだろう。株価は上場来高値圏だ。低PBRも見直し材料であり、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。

■双日グループの合成樹脂専門商社、高付加価値商材を拡販

 双日<2768>グループの合成樹脂専門商社である。需要先は幅広く、合成樹脂原料に関する高い専門性、原材料メーカーと販売先を繋ぐ高い提案営業力、少量多品種即納体制を強みとしている。

 17年3月期の取扱商材別売上高構成比は、エンジニアリング系樹脂41%、スチレン系樹脂18%、オレフィン系樹脂11%、塩化ビニール系材料5%、PET樹脂4%、その他樹脂3%、製品(合成樹脂関連他)16%、合成樹脂関連機械・シート2%だった。

 高付加価値商材の拡販、良質な商権を持つ優良会社の営業権取得やM&Aを積極化するとともに、海外は中国、ベトナム、フィリピン、タイ、インド、台湾などアジア地域に積極展開している。17年3月期の海外売上比率は32%だった。17年7月にはベトナムに現地法人を設立した。

■18年3月期2Q累計は大幅増収増益

 今期(18年3月期)第2四半期累計連結業績は大幅増収増益だった。売上高は前年同期比14.9%増の288億29百万円、営業利益は66.7%増の5億81百万円、経常利益は85.4%増の5億56百万円、純利益は97.0%増の3億74百万円だった。需要が回復基調となり、特に海外売上高が26.3%増収と大幅伸長した。市況改善や高付加価値製品拡販も寄与した。

 取扱商材別には主力のエンジニアリング系樹脂が10.2%増収、スチレン系樹脂が24.2%増収と好調に推移し、PET樹脂が77.3%増収と大幅伸長した。国内では医療機器およびゲーム機向けの取り扱いが増加し、海外では衛生材料が伸長した。売上総利益率は6.6%で0.4ポイント上昇、販管費比率は4.6%で0.3ポイント低下した。

■18年3月期通期は増額して大幅増益予想、さらに再増額の可能性

 今期(18年3月期)連結業績予想(10月27日に増額修正)は、売上高が前期(17年3月期)比7.6%増の557億円、営業利益が22.5%増の9億70百万円、経常利益が20.0%増の9億40百万円、純利益が15.9%増の6億10百万円としている。

 プラスチック原料ビジネスはアジアを中心として海外市場の成長が見込まれ、積極的な事業展開で増収増益予想としている。配当予想は1円増配の年間18円(第2四半期末9円、期末9円)で、予想配当性向は25.2%となる。

 通期会社予想に対する第2四半期累計の進捗率は売上高が51.8%、営業利益が59.9%、経常利益が59.1%、純利益が61.3%と高水準である。通期予想は再増額の可能性が高いだろう。

■株価は上場来高値圏、自律調整一巡して上値試す

 株価は上場来高値更新の展開で11月6日の1023円まで上伸した。その後は上げ一服の形だが自律調整の範囲だろう。

 11月30日の終値914円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS71円36銭で算出)は12~13倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間18円で算出)は2.0%近辺、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1082円40銭で算出)は0.8倍近辺である。時価総額は約78億円である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線がサポートラインの形だ。低PBRも見直し材料であり、自律調整一巡して上値を試す展開が期待される。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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