【アナリスト水田雅展の銘柄分析】アールシーコアは15年3月期利益増額を好感、消費増税の影響一巡や4%近辺の高配当利回りを評価して戻り歩調

【アナリスト水田雅展の銘柄分析

 ログハウス(丸太組み工法住宅)のアールシーコア<7837>(JQS)の株価は、安値圏から反発して水準切り上げの動きを鮮明にしてきました。今期(15年3月期)利益見通し増額修正を好感して強基調へ転換した形です。消費増税の影響一巡や4%近辺の高配当利回りを評価して戻り歩調の展開が想定されます。

 自然材をふんだんに使った個性的な木の家であるログハウスのオリジナルブランド「BESS」の販売(国内直販部門と販社部門、および連結子会社のBP社)を展開しています。東京・代官山「BESSスクエア」と神奈川県「BESS藤沢展示場」の直営展示場2拠点も運営しています。

 中期経営計画では目標数値として、17年3月期の契約棟数1900棟、売上高180億円、営業利益率8%、ROE18%を掲げ、重点戦略として「BESS」ブランドの深耕、営業拠点と営業員の拡充、展示場50拠点展開などを推進しています。

 2月13日には、14年10月以降に新潟県と静岡県に新たな「BESS」展示場がオープンして全国43拠点に拡大したと発表しています。さらに埼玉県、京都府、長野県にも新拠点開設を予定しており、中期経営計画目標の50拠点に向けて着実にネットワークの拡大が進んでいるようです。

 今期(15年3月期)の連結業績見通しは1月30日に売上高を減額、利益を増額修正(純利益は11月13日のカナダBFM社譲渡に伴う特別利益計上に次いで2回目の増額)し、売上高が前期比0.1%増の121億円、営業利益が同27.6%減の6億50百万円、経常利益が同28.4%減の6億50百万円、純利益が同21.9%減の4億50百万円としています。配当予想は前回予想(5月15日公表)を据え置いて同2円増配の年間42円(第2四半期末20円、期末22円)としています。

 なおカントリーログハウスのキット部材を製造販売するカナダの連結子会社BFM社の株式をカナダAAA社に譲渡する件(14年11月発表、1月30日に譲渡価格と譲渡日程の変更を発表)について、2月6日に譲渡日程の変更を発表しました。カナダAAA社において当該案件に関する資金調達に時間を要しているため、譲渡日程を15年3月末日までとしました。現在のところ今期中の株式譲渡を想定しているとしています。

 第3四半期累計(4~12月)は前年同期比4.5%増収、同9.3%営業増益、同8.6%経常増益、同13.8%最終増益となり、通期見通しに対する進捗率は売上高74.4%、営業利益81.9%、経常利益82.5%、純利益77.8%と高水準です。利益面では営業員採用・教育のための戦略的費用支出のズレ込みが寄与するようですが、通期利益は再増額の可能性もあるでしょう。

 第3四半期累計の契約高は70億14百万円で前年同期比13.7%減少したが、第2四半期累計(4~9月)が同28.2%減少だったのに対して、第3四半期(10~12月)は同38.6%増加と大幅に改善しています。さらに第3四半期累計の全国BESS展示場への新規来場者数は同11%増の2万1828件と増加基調を維持しています。再来場者数も第3四半期には増加に転じているようです。受注は第2四半期累計で底打ちした可能性が高く、来期(16年3月期)の収益改善が期待されます。

 株価の動きを見ると、14年10月の安値838円をボトムとして反発し、さらに安値圏でのモミ合いから上放れて水準切り上げの動きを鮮明にしています。2月27日と3月1日には1049円まで上伸しました。今期利益見通しの増額修正を好感する動きのようです。

 3月2日の終値1049円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS103円04銭で算出)は10~11倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間42円で算出)は4.0%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS921円87銭で算出)は1.1倍近辺です。

 週足チャートで見ると、上向きに転じた13週移動平均線がサポートラインとなり、26週移動平均線と52週移動平均線を一気に突破しました。強基調への転換を確認した形です。消費増税の影響一巡や4%台の高配当利回りを評価して戻り歩調の展開が想定されます。

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