【ドクター箱崎幸也の健康増進実践法】続、飲酒と認知症との関連

■CAGE質問票でアルコール依存症のチエックを

ドクター箱崎幸也の健康増進実践法 飲酒量が増加すれば認知症になりやすい傾向が指摘されていますが、本当は飲酒と認知症の関係はよく分らないのが実情です。私を含め飲酒者には朗報の研究レポートあります。

フランスのボルドー大学の65歳以上の高齢者約3,800人の数年間の調査研究では、毎日ワインをグラスで3~4杯飲んでいる人の場合、アルツハイマー型認知症の発生率が、酒を全く飲まない人のわずか1/4であることが報告されています。一定量のワインを毎日の飲み続けることが、アルツハイマー型認知症予防に効果があると結論しています。

しかしボルドー大学からこの研究の背後にワイン業界の影が見える気もします。毎日飲酒する方には朗報かもしれませんが、他の多くの研究では飲酒量が増えれば認知症になりやすいとの結果ですので、やはり飲酒は、ほどほどにするのが賢明かと思います。

飲酒量のほどほどには個人差が大きく、多くの人自身は「お酒に飲まれていない、適正飲酒者」と自負しています。しかし、ついアルコール過剰になっている危険性もあり要注意です。65歳以上では年に1回はアルコール依存症のスクリーニング質問票にて、依存症かを自己診断する必要があります。

CAGE質問票が簡便で有用です。今まで、(1)飲酒量を減らさなければいけないと思ったことがありますか(Cut down)、(2)飲酒を批判されて腹が立ったり苛立ったことがありますか(Annoyed)、(3)飲酒に後ろめたい気持ちや罪の意識をもったことがありますか(Guilty)、(4)神経安定のために、二日酔いを治すためや1日を始めるために、朝一番に飲酒したことがありましたか(Eye-opener)、の4つの質問から成り立っています。

2項目以上当てはまればアルコール依存症の可能性が大、1項目でもあれば飲酒制限が必要です。ぜひ皆様が定期的にCAGE質問票にて自身の飲酒状況をチェックして、(1)~(4)に、1項目でも該当しないように上手にお酒とお付き合い下さい。(元気会横浜病院々長、元自衛隊中央病院消化器内科部長)

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