【アナリスト水田雅展の銘柄分析】セキドは水準切り上げの動き、16年2月期収益改善期待で14年7月高値目指す

銘柄分析

 ファッション専門店チェーンのセキド<9878>(東2)の株価は、水準切り上げの動きを強めている。訪日外国人旅行客のインバウンド消費も追い風であり、今期(16年2月20日期)の収益改善期待で14年7月高値180円を目指す展開だろう。

 12年10月に家電の店舗販売事業から撤退してファッション専門店事業に経営資源を集中した。海外ブランド品などを扱うファッション専門店「GINZA LoveLove」「スーパーセレクトショップラブラブ」を直営で展開している。前々期(14年2月20日期)末の店舗数は首都圏中心に24店舗である。ネット通販についてはストリーム<3071>と業務提携している。

 中期成長戦略として「GINZA LoveLove」のブランディング戦略強化を掲げ、高額のナショナルブランド品、中・低価格帯のプライベートブランド(PB)品、アウトレットブランド品の品揃えを強化している。

 さらに収益力改善に向けて、新規出店と既存店リニューアル、ネット通販の強化、滞留期間短縮による商品在庫の鮮度アップ、売れ筋商品の機会ロス低減、店舗運営の効率化などへの取り組みを強化している。

 さらに今後の事業展開として、小売法人向け商品供給や販売業務委託を強化する方針を打ち出している。14年7月にはラオックス<8202>と業務提携した。当社がラオックスに対して高級ブランド品(バッグ・財布など)を提供し、ラオックスが当社に対して高級時計を中心とした宝飾品を供給する。相互の効率的な商品供給体制を確立して販売増につなげる戦略だ。

 前期(15年2月20日期)の業績(非連結)見通し(12月30日に減額修正)は、売上高が前々期比13.5%減の103億円、営業利益が6億60百万円の赤字(前々期は89百万円の黒字)、経常利益が7億20百万円の赤字(同97百万円の黒字)、純利益が7億円の赤字(同1億07百万円の黒字)、配当予想は無配(前期は年間1円)としている。

 消費マインド低迷の長期化や天候不順が影響して赤字見通しとなった。今期(16年2月20日期)の商品戦略に向けた滞留在庫処分に伴う損失計上も影響する。

 前期の収益は悪化したが、今期は消費増税や天候不順の影響が一巡する。収益改善に向けてDMや催事による販促強化、小売法人向けの商品供給や販売委託の強化、売上総利益率の改善、人件費や広告宣伝費の見直しによる効率化を推進し、ラオックスとの業務提携で訪日外国人旅行客のインバウンド消費の取り込みも強化する方針だ。今期の収益改善が期待される。

 株主優待については、毎年2月20日および8月20日現在で1000株以上所有株主に対して実施している。優待内容は、1000株以上所有株主に対して一律「株主ご優待券5%割引券」5枚、3000株以上所有株主に対して「1000株あたり500円のお買い物券+株式数に応じたお買い物券」を贈呈している。さらに2年以上継続保有の株主に対しては「お買い物券」が上乗せされる(詳細は会社ホームページ等で確認)。

 株価の動きを見ると動意づく場面が増えてきた。2月19日には177円まで急伸して14年7月高値180円に接近し、2月24日には160円まで急伸した。買いが続かず一旦は140円近辺まで反落したが、その後も水準切り上げの動きを強めている。3月17日は152円まで上伸する場面があった。

 3月17日の終値147円を指標面で見ると、実績PBR(前期第3四半期末実績のBPS228円14銭で算出)は0.6倍近辺である。

 やや乱高下したが、日足チャートで見ると25日移動平均線が上向きに転じてサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると26週移動平均線を突破した。強基調に転換した可能性がありそうだ。訪日外国人旅行客のインバウンド消費も追い風となり、今期の収益改善期待で14年7月高値180円を目指す展開だろう。

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