【アナリスト水田雅展の銘柄分析】ティムコは低PBRや収益改善基調を評価して戻り歩調

銘柄分析

 フィッシング用品やアウトドア用品のティムコ<7501>(JQS)の株価が戻り歩調の展開だ。やや小動きだが足元では570円台まで戻している。0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を評価して、13年5月と14年1月の600円を試す展開だろう。

 フィッシング用品やアウトドア用品の企画・開発・販売を展開し、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化や、直営店舗「フォックスファイヤーストア」の収益力向上に取り組んでいる。20年東京夏季五輪開催に向けて、登山・アウトドア・スポーツ関連の需要盛り上がりが追い風だろう。

 今期(15年11月期)の業績(非連結)見通し(1月16日公表)は、売上高が前期比2.4%増の30億円、営業利益が同2.8倍の70百万円、経常利益が同2.0倍の73百万円、純利益が同4.9倍の40百万円、配当予想が前期と同額の年間12円(期末一括)としている。

 フィッシング事業は天候不順の影響が一巡し、アウトドア事業は衣料・アクセサリーが堅調に推移する。防虫機能を備えた「スコーロン」製品の好調も期待される。店舗オペレーションの効率化も寄与して増収増益見通しだ。ルアー関連の一部製品について、3月1日出荷分から価格改定(値上げ)を実施していることも収益改善に繋がるだろう。

 規模の拡大よりも内容の充実に重点を置き、アウトドア衣料ブランド「フォックスファイヤー」の商品力強化などで、着実な収益の向上に努める方針としている。前期(14年11月期)の黒字化に続いて収益は改善基調だろう。

 株価の動きを見ると、14年12月の直近安値545円から反発後は水準を切り上げて戻り歩調の展開だ。やや小動きだが足元では570円台まで戻している。収益改善基調を評価する動きだろう。

 3月20日の終値574円を指標面で見ると、今期予想PER(会社予想のEPS14円19銭で算出)は40倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間12円で算出)は2.1%近辺、そして前期実績PBR(前期実績のBPS2350円51銭で算出)は0.2倍近辺である。

 日足チャートで見ると25日移動平均線がサポートラインの形となった。また週足チャートで見ると26週移動平均線を突破し、13週移動平均線が26週移動平均線を上抜いた。強基調に転換した形だ。0.2倍近辺の低PBRや収益改善基調を評価して、13年5月と14年1月の600円を試す展開だろう。

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