銀行株は大波乱、日銀の「TOPIX型拡大」で買われ「マイナス金利継続」で売られる

株式市場

■時価総額の大きい点でETF買いの効果は増すが収益環境の悪化は継続の見方

 31日午後の東京株式市場で、銀行株は軒並み乱高下の波乱商状となった。13時頃、日銀の金融政策決定会合(30~31日)の結果が伝わり始めると、たとえば三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)は2%高の4657円(87円高)まで一段高となったが、その後10分足らずの間に2.3%安の4465円(105円安)と急反落。14時にかけては1.4%安の4505円(65円安)前後で売り買い交錯となっていたが、その後はまた下値を探る展開になっている。

 市場関係者によると、銀行株が最初、買われた要因としては、ETF(上場投資信託)の買い入れ政策について、TOPIX(東証株価指数)型ETFへの資金配分を拡大すると伝えられたことが大きかった模様だ。銀行株はメガバンクを中心に時価総額が大きく、ひと頃に比べれば後退しているものの、いぜん、時価総額で算出するTOPIXの構成割合や寄与度、影響度は大きい。TOPIX連動型の買いが入る場合は、こうした銘柄ほどインパクトが強くなるという。

 一方、その後、一転して売られた要因としては、金融機関が日銀に預ける当座預金に適用するマイナス金利政策を「マイナス0.1%」のまま据え置くと伝えられたことなどが影響したようだ。「異次元の緩和」の中で、長期金利をゼロ%程度に保つ政策や、当座預金のマイナス金利政策は、銀行の収益力の悪化などを招く副作用とされてきた。今回の会合では、副作用について配慮はされたものの、収益環境としては引き続き現状に近い状況が続くといった受け止め方が少なくないようだ。(HC)

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