【新規上場(IPO)銘柄】霞ヶ関キャピタルは換金売りに下げる、1月の第1四半期決算の発表に注目

株式市場 IPO 鐘

 霞ヶ関キャピタル<3498>(東マ)は、11月28日に東京証券取引所マザーズに上場した。同社は、「価値の再生」の経営理念のもと、「成長性」と「社会的意義」が融合する領域で事業を展開している。2011年9月に東日本大震災で被災したショッピングセンターフォルテの取得及び再生を目的とした合同会社の設立により事業を開始、13年6月にショッピングセンターの屋上に太陽光パネルを設置し売電を行い、自然エネルギー事業を開始、14年9月に笹塚マンション開発に係るコンサルティングを行い、不動産コンサルティング事業を開始している。


 自然エネルギー事業では、太陽光・風力・バイオマスなどの自然エネルギーを対象とした、開発・事業投資を行っている。具体的には、中大型案件や低コストの屋根上太陽光、Post-FITや世界的ミッションとしてのRE100を見据えた自家消費型太陽光発電システムやグリーン電力証書等の環境価値取引に注力・拡大している。

 不動産コンサルティング・開発事業では、未利用や老朽化により有効活用されていない土地や建物を取得し、その不動産の持つ本来の価値を最大化させるためのプロデュースを行っている。具体的には、インバウンド観光客数増加と宿泊形態の羅ようかに着目したアパートメントホテルの投資開発、深刻化する空き家問題に着目した古民家のリノベーション/コンバージョンと女性の社会進出に伴う待機児童の増加に着目した認可保育園の開発に注力・拡大している。

 ショッピングセンター事業では、地域特性や消費者・生活者のトレンドを見極めたコンセプトメイクを重視した、大型商業施設のテナントリーシング、修繕計画の立案、イベントプロモーションなど総合的なプロデュースを行っている。

 今2019年8月期第2四半期業績予想は、売上高17億2500万円、営業利益8000万円、経常利益1200万円、純利益700万円を見込む。

 今19年8月期業績予想は、売上高77億0800万円(前期比90.8%増)、営業利益6億4000万円(同73.1%増)、経常利益5億1200万円(同49.8%増)、純利益3億4600万円(同51.8%増)を見込む。上場で調達した資金は発電施設や不動産の開発費用に充てる計画で、年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、上場初日の11月28日に公開価格3240円の約1.93倍の6240円で初値をつけ、同日高値7200円と上昇。12月3日安値5140円と下げている。目先は換金売りが一巡し、需給が改善されるのを待つところだが、今期営業利益は73.1%増益を見込んでおり、1月に予定される第1四半期決算の発表は市場の関心を集めると予想する。ここから下値を固めるか、リバウンド狙いで動向については注目したい。(株式評論家・信濃川)

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