テラは底値圏、樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す

株式市場 銘柄

 テラ<2191>(JQ)は樹状細胞ワクチン療法を中心とするバイオベンチャーである。樹状細胞ワクチン療法の薬事承認を目指している。株価は地合い悪も影響して上場来安値を更新したが、ほぼ底値圏だろう。

■樹状細胞ワクチン療法の薬事承認目指す

 東京大学医科学研究所発バイオベンチャーである。独自開発したがん治療技術「樹状細胞ワクチン療法」を契約医療機関に提供する細胞医療事業を主力として、新規がん抗原および培養法、新規免疫療法など、がん領域において再生・細胞医療に関する研究・開発を行っている。

 契約医療機関における症例数に応じた収入が柱である。なお12月12日に契約違反を理由として、主要取引先である医療法人社団医創会に属する医療機関(セレンクリニック東京)との取引停止を発表している。

 子会社テラファーマは樹状細胞ワクチン療法の薬事承認を目指し、17年3月和歌山県立医科大学病院で開始した膵臓がんを対象とする樹状細胞ワクチン(TLP0-001)の医師主導治験に、樹状細胞ワクチンを提供している。

 子会社タイタンは治験支援、子会社オールジーンはゲノム解析を行っている。18年2月には細胞加工の製造受託事業に参入すると発表し、18年3月には新規がん抗原ペプチドの提供開始を決定した。

 18年7月製薬バイオベンチャーであるレクメド社と創薬プロジェクト加速を目的とした基本合意書を締結、18年9月台湾のバイオテクノロジー企業VB社とがん免疫療法の台湾における技術移転で業務提携した。

 18年12月期は細胞医療事業における症例数の減少、研究開発費の増加、特別損失の発生などで赤字が拡大する見込みだが、19年12月期は樹状細胞ワクチン療法の薬事承認取得に向けた進展を期待したい。

■株価は底値圏

 株価は12月21日に198円まで下押した。地合い悪も影響して上場来安値を更新したが、ほぼ底値圏だろう。12月21日の終値は200円、時価総額は約35億円である。

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