クレスコは期初に発生した不採算案件の影響を四半期ごとに取り戻し遂に増益転換

【第3四半期の連結決算】エンジニア不足の影響あるが通期では連続最高益の見込み

 クレスコ<4674>(東1)が2月5日の夕方に発表した2019年3月期・第3四半期の連結決算(18年4月1日~同年12月累計)は、期初に発生した不採算案件の影響を四半期ごとに取り戻す形になり、営業利益は遂に前年同期比同0.8%増と増益に転じて23.16億円となった。また、親会社株主に帰属する四半期純利益も四半期ごとに減益幅が縮小し、同2.7%減の16.73億円となった。

◆ベトナムでの開発体制は中期的に倍増の計画

 ソフトウェア開発やIoT、AIソリューション開発などを展開し、第3四半期累計期間の連結売上高は同5.6%増の258.28億円となった。ソフトウェア開発部門では、金融機関向けが前期まで手掛けてきた大型案件の完了にともない、前年対比でマイナスが続いたが、公共サービス向け、流通・その他は2ケタの増加となった。組み込みソフト開発部門は、カーエレクトロニクス、情報家電・その他、の分野に顧客別の濃淡はあったものの、通信システムを含めた主要3分野とも2ケタの増加となった。

 ただ、IT業界のエンジニア不足により「開発人員不足の影響はいぜん大きく」(会社側)、第3四半期累計期間の受注高は同8.6%増加したものの、人員の問題で仕事を受けきれない面があったという。このため、開発リソースの確保につとめ、開発体制を強化する。「ニアショア」では北海道と九州での開発体制も強化し、「オフショア」ではベトナムでの開発体制は中期的に倍増させるなどの施策を推進するとした。

 3月通期の連結業績見通しは、期初に発生した不採算案件の影響を四半期ごとに取り戻す形になってきたため、従来予想を継続し、売上高は355.0億円(前期比では6.5%の増加)、営業利益は32.8億円(同6.1%の増加)、親会社株主に帰属する四半期純利益は24.16億円(同9.7%の増加)、1株利益は220円84銭とした。売上高、各利益とも連続して最高を更新する。(HC)

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