星光PMCの18年12月期連結業績は、増収ながら原料価格の上昇により減益

■今期19年12月期連結業績予想は増収増益を見込む

 星光PMC<4963>(東1)の18年12月期連結業績は、増収ながら原料価格の上昇により減益となった。

 同社は、製紙用薬品事業、印刷インキ用・記録材料用樹脂事業、化成品事業を展開し、次世代素材セルロースナノファイバー(CNF)など新分野開拓を推進している。

 製紙用薬品事業は、国内市場、中国市場において差別化商品の売上増加に努めた結果、売上高は172億70百万円(前期比8.5%増)となったが、利益面では、原料価格の値上がりの影響などにより、セグメント利益16億06百万円(同3.2%減)であった。


 印刷インキ用・記録材料用樹脂事業は、需要が減少傾向をたどる中、フレキソ・グラビア インキ用樹脂の売上高は増加したが、オフセットインキ用樹脂・記録材料用樹脂の売上高が減少した。その結果、売上高は、51億21百万円(同4.8%減)となり、利益面では、減収に加え、原料価格の値上がりの影響などにより、セグメント利益2億43百万円(同38.4%減)と減収減益。

 化成品事業については、売上高は主力製品の輸出売上の減少により34億97百万円(同7.8%減)となり、セグメント利益は4億20百万円(同15.7%減)となった。

 18年12月期は原料価格の上昇などもあり、減益となったが、配当については、16円と17年12月期の13円から3円の増配となっている。

■今期は研究開発・生産・営業が一体となった業務の効率化・合理化に取り組む

 今期については、差別化製品・サービスの提供及び研究開発・生産・営業が一体となった業務の効率化・合理化に取り組むとしている。

 製紙用薬品事業では、差別化されたソリューションの提供による顧客との関係強化や、高機能製品による新規商権獲得により、販売の拡大に努める。また、海外においては、製品ポートフォリオの拡充等によって既存の製造設備の稼働率を向上する。

 樹脂事業では、市場の変化に対応した製品ポートフォリオの抜本的な見直しと生産体制の効率化、海外における印刷インキの水性化ニーズに応える樹脂の開発・販売などにより収益基盤の再構築を図るとともに、2019年1月に新たに連結子会社となった新綜工業の粘着剤事業の強化を進める。

 化成品事業では、競争優位の機能性創造モノマー・オリゴマーの提供により、事業基盤を強化するとしている。

 その結果、19年12月期の通期連結業績予想は、売上高284億円(前期比9.7%増)、営業利益23億20百万円(同17.8%増)、経常利益24億円(同15.4%増)、純利益17億円(同8.8%増)と増収増益を見込む。

 配当については、前期と同じ年間配当16円(第2四半期末、期末共に8円)を予定している。

■新中期経営計画「New Stage 2021」( 2019~2021 年度)では最終年度売上高320億円を目指す

 なお、決算発表と同時に、新中期経営計画「New Stage 2021」( 2019~2021 年度)を発表した。

 前回の2016~2018年度の中期経営計画「CS VISION-II」を振り返り、原油・ナフサ価格の高騰という外部環境の影響を受けて最終年度こそ目標値未達となったが、「CS VISION-I」の業績と比較すると、営業利益水準の向上という点では一定の成果を上げることができたと評価している。

 今回の新中期経営計画では、主要戦略として、国内事業基盤の強化、海外事業拡大・新事業構築に向けた施策の実施、長期的視野に基づいた経営基盤強化を挙げている。

 なお、業績目標として、主要戦略を着実に遂行することで、最終年度である2021年度には連結売上高320億円、営業利益30億円円を目指すとしている。

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