【アナリスト水田雅展の銘柄診断】東洋ドライルーブはモミ合い上放れて強基調に転換する動き、1月高値試す

銘柄分析

 ドライルーブ製品コーティング加工の東洋ドライルーブ<4976>(JQS)の株価は、12月1日に1721円まで上値を伸ばして1月の年初来高値1735円に接近している。モミ合い上放れて強基調に転換する動きだ。今期(15年6月期)業績上ブレの可能性、そして低PERと低PBRも支援材料であり、1月の年初来高値1735円を試す展開だろう。

 ドライルーブ(固体皮膜潤滑剤)製品のコーティング加工を主力として、その他事業ではナノカーボン製品の製造も展開している。海外は中国、タイ、ベトナムに展開している。

 ドライルーブとは二硫化モリブデン、フッ素樹脂、グラファイトなどの潤滑物質と各種特殊バインダーをハイブリッド配合し、各種溶剤または水に分散させた有機結合型の多機能皮膜である。ドライルーブでコーティング加工することにより各種素材の摩擦係数を大幅に低減できるなど、耐摩耗性に優れているため自動車機器、デジタル家電、デジタルカメラなどの駆動伝達部で、オイルやグリースなどの液体潤滑剤を使用できない部位にコーティング皮膜として使用される。

 中期成長に向けた事業戦略では、新製品・新加工技術の開発、アジア地域を中心としたグローバル展開を積極推進する方針だ。新製品では発熱皮膜、放熱皮膜、撥水・撥油皮膜、DLC皮膜、SUS316コート、ナノシルバーコートなどを開発している。

 今期(15年6月期)連結業績見通しは前回予想(8月8日公表)を据え置いて売上高が前期比1.9%減の50億30百万円、営業利益が同21.9%減の3億06百万円、経常利益が同9.1%減の3億68百万円、純利益が同17.9%減の2億47百万円、配当予想が前期と同額の年間30円(第2四半期末15円、期末15円)としている。

 セグメント別売上高の計画はドライルーブ事業が同2.0%減の50億07百万円(自動車機器向け同2.7%減収、光学機器向け同10.4%増収、電気・電子機器向け同11.3%減収、その他業界向け同0.7%減収)で、その他事業は同21.1%増の23百万円としている。

 自動車機器業界向けは底堅い受注を見込んでいるが、電気・電子機器業界向けがや低調となり、利益面では販売価格引き下げ要請などが影響して減収減益見込みとしている。海外連結子会社の生産性改善も課題としている。

 第1四半期(7月~9月)は前年同期比3.9%減収、同24.1%営業減益だった。国内の消費増税前駆け込み需要の反動減などの影響を受けて、自動車機器向けが同4.9%減収、光学機器向けが同4.3%減収、電気・電子機器向けが同6.8%減収となり、営業利益も減益だった。ただし営業外での為替差益計上などが寄与して経常利益は同74.9%増益、純利益は同2.1倍増益だった。

 通期見通しに対する第1四半期の進捗率は売上高が24.0%、営業利益が26.5%で、売上高、営業利益とも概ね順調な水準である。さらに経常利益は43.5%、純利益は34.4%と高水準である。期後半に向けて自動車や光学機器の生産増加が期待され、コスト低減効果、さらに営業外での為替差益や持分法投資利益も寄与して通期見通しに上ブレ余地があるだろう。

 株価の動きを見ると、10月20日直近安値1560円から切り返しの展開となった。そして12月1日には1721円まで上値を伸ばして1月の年初来高値1735円に接近している。

 12月4日の終値1683円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS186円55銭で算出)は9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間30円で算出)は1.8%近辺、前期実績PBR(前期実績の連結BPS4276円42銭で算出)は0.4倍近辺である。

 週足チャートで見ると13週移動平均線、26週移動平均線とも上向きに転じてきた。モミ合い上放れて強基調に転換する動きのようだ。今期業績見通し上ブレの可能性、そして低PERと低PBRも支援材料であり、1月の年初来高値1735円を目指す展開だろう。

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