【編集長の視点】京進は続落も3Q高進捗率業績をテコに14年ぶりの最高純益更新を見直し底値買い妙味

 京進<4735>(東2)は、前日18日に10円安の1058円と6営業日続落して引けた。日経平均株価が、明19日の海外市場の休場や東京市場の10連休を控えて利益確定売りが拡大して187円安と6営業日ぶりに反落し9割近い銘柄が下落したことから同社株にも持ち高調整の売り物が続いた。ただ取引時間中は、1075円まで買い進まれる場面があり、売られ過ぎとして底値買いも交錯した。今年4月4日に発表した今2019年5月期第3四半期(2018年6月~2019年2月期、3Q)業績が、続伸して5月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示し、今期通期純利益が、14年ぶりに過去最高を更新することが買い手掛かりとなった。働き方改革関連法施行による保育園事業や、改正出入国管理法施行に伴う日本語教育事業の成長期待も、側面支援材料視されている。


■学習塾事業、語学関連事業とも生徒数が増え3Q利益はすでに通期予想を超える

 同社の今5月期3Q業績は、売り上げが152億7900万円(前年同期比10.9%増)、営業利益が10億4600万円(同7.8%増)、経常利益が11億400万円(同15.2%増)、純利益が6億1200万円(同6.7%増)とそれぞれ続伸し、利益は、すでに5月期通期予想利益を1900万円~5億2400万円上回る高進捗率を示した。学習塾事業では、脳科学に基づく独自の学習法「リーチングメソッド」が、生徒の学力向上と合格実績アップにつながって生徒数が増加し、語学関連事業では、英会話事業が小学校の英語科目化で生徒が増加、日本語教育事業では日本語学校の留学生が増加、保育・介護事業では、保育園事業の保育園を積極開園、2019年4月に73園まで拡大し、介護施設、配食、訪問介護、デイサービスなどの事業が堅調に推移したことなどが寄与した。

 今5月期通期業績は、3Q高進捗業績にもかかわらず期初予想を変更はしなかったが、それでも売り上げ193億5900万円(前期比8.0%増)、営業利益5億5000万円(同34.3%増)、経常利益5億8000万円(同27.4%増)、純利益5億9300万円(同20.2%増)と続伸を見込み、純利益は、2005年2月期の過去最高(4億9500万円)を14年ぶりに更新する。

 なお同社は、働き方改革関連法関連では、昨年9月に女性の資格取得やスキルアップを支援するキャリア支援事業部を新設するとともに、今年4月1日に保育園を11園開園し、介護事業では、給食事業を運営するリッチ(大阪市平野区)の株式を取得した。また改正出入国管理法に伴う外国人労働者受け入れ拡大関連では、今年1月に日本語学校を運営するダイナミック・ビジネス・カレッジ(東京都荒川区)の全株式を取得するなど相次ぎ成長戦略を積極化させている。

■自己株式買付価格奪回で半値戻しを達成し相場格言通りに全値戻しに弾み

 株価は、年初来安値から今期第2四半期累計業績の上ぶれ着地と自己株式立会外買付取引(買付価格1297円)、さらにダイナミック・ビジネス・カレッジの株式取得完了が相乗して年初来高値1547円まで53%高し、今期3Qの高利益進捗率業績にもかかわらず5月期通期業績を期初予想の据え置きとしたことが響いて、ほぼ往って来いの調整をした。25日移動平均線からは15.2%もマイナスかい離し、PERも3Q実績ベースで14倍台と相対的に割り負けており、底上げに再発進しまず自己株式買付価格の1297円奪回で年初来高値からの調整幅の半値戻しをクリア、相場格言の「半値戻しは全値戻し」へ弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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