【特集】3カ月ぶりに年初来高値を更新したトヨタ自動車に追随する銘柄は?

トヨタ 7203 トヨタ自動車

■トヨタ自動車に追随しPBR1倍割れの時価総額上位株に照準

トヨタ自動車<7203>(東1)の年初来高値更新は、さまざまのサポート材料が取り沙汰されているが、最もインパクトが強かったのが、今年7月13日の中国政府によるハイブリッド車(HV)への優遇措置検討報道だろう。環境対応車として電気自動車(EV)へのシフトが世界的に進んでいるなかで、HVの優位性が再認識されたとして、前週は商いを約3割も膨らませて200円超高した。

 トヨタと同様に時価総額上位のPBR1倍割れ銘柄で低PER放置も意識され、7月相場に入って年初来高値を更新した銘柄には、三井物産<8031>(東1)SOMPOホールディングス<8630>(東1)MS&ADインシュランスグループホールディングス<8725>(東1)がある。三井物産は、ロシアのガス田プロジェクトの持分取得が引き金になり、損保2社は、国内証券の強気の投資判断と目標株価引き上げがキッカケとなった。

■先行4銘柄の追随銘柄の第1四半期決算動向などをマーク

 先行4社に続くと期待されるのが、トヨタの同業他社の日産自動車<7201>(東1)ホンダ<7267>(東1)、三井物産と同業セクターの住友商事<8053>(東1)三菱商事<8058>(東1)、資源関連の国際石油開発帝石<1605>(東1)JXTGホールディングス<5020>(東1)三井住友トラスト・ホールディングス<8309>(東1)三井住友フィナンシャルグループ<8316>(東1)みずほフィナンシャルグループ<8411>(東1)オリックス<8591>(東1)第一生命ホールディングス<8750>(東1)などの金融株で、高配当利回りとともに今年7月から8月初めに発表が予定されている今2020年3月期第1四半期決算の動向も焦点になってくる。

■時価総額下位グループもヤマシタヘルスのサプライズ高の再現ファクターを内包

 対照的に時価総額下位グループ株も、東証第2部への指定替え基準の時価総額(20億円)や株主数(2000人)に未達の懸念があり、東証が検討中の市場区分で第1部残留が危ぶまれることもあり、PBR1倍割れのキャッシュリッチ企業でPERが割安に放置されている有配株には何らかの株価対策も期待される。このグループ株の一角を占めるヤマシタヘルスケアホールディングス<9265>(東1)は、今年7月4日に2019年5月期業績の上方修正と増配を発表してストップ高、年初来高値をつけたが、こうしたサプライズ高ファクターを内包していると推定される。

 ヤマシタヘルスケアを含めて同様に時価総額が下位の低PER有配株の10銘柄を列挙すると、時価総額の下位順にNCホールディングス<6236>(東1)東京機械製作所<6335>(東1)盟和産業<7284>(東1)日東製網<3524>(東1)一蔵<6186>(東1)サンリツ<9366>(東1)島根銀行<7150>(東1)東海染工<3577>(東1)アルテック<9972>(東1)となり、7月末から8月に予定されている決算発表などをマークしたい。

【関連記事情報】
・2019年07月22日 【どう見るこの相場】マーケットの不安心理は後退したのか?キャッシュリッチの時価総額上位銘柄に期待

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