【新規上場(IPO)銘柄】Sansanは高値更新、国内だけでも100倍の開拓余地が存在

株式市場 IPO 鐘

 Sansan<4443>(東1)は、本年6月19日に東京証券取引所マザーズに上場。同社グループは、「出会いからイノベーションを生み出す」というミッションを掲げ、「クラウドソフトウェア」に「テクノロジーと人力による名刺データ化の仕組み」を組み合わせた新しい手法を軸に、名刺管理をはじめとした企業やビジネスパーソンが抱えるさまざまな課題の解決につながるサービスを展開している。

 具体的には、名刺をデータ化し、人と人のつながりを情報として可視化・共有できる、法人向けクラウド名刺管理サービス「Sansan」を展開するSansan事業と、ソーシャル・ネットワーキング・サービスの仕組みを取り入れ、名刺をビジネスのつながりに変える名刺アプリ「Eight」を展開するEight事業を運営している。


 7月12日大引け後に5月期本決算を発表。前19年5月期業績実績は、売上高102億0600万円(前の期比39.3%増)、営業損益8億4900万円の赤字(同30億6100万円の赤字)、経常損益8億9100万円の赤字(同30億7700万円の赤字)、最終損益9億4500万円の赤字(同30億8500万円の赤字)に着地。売上高は、Sansan事業とEight事業ともに順調に拡大。主にEight事業で広告宣伝費が減少したため、赤字幅を縮小した。

 今年5月期業績予想は、売上高138億1600万円(前期比35.4%増)、営業損益7億2400万円の黒字(同8億4900万円の赤字)、経常損益6億7000万円の黒字(同8億9100万円の赤字)を見込む。最終損益についても黒字化を見込んでいるが、現時点では、精緻化が困難なため、予想数値は開示していない。年間配当予想は、無配を予定している。

 株価は、上場初日の6月19日安値4730円から7月16日に上場来高値6200円と上昇。上げ一服となっていたが、切り返す動きで同24日6260円と買われ高値を更新している。Sansan事業は、1,000人以上の企業の利用企業のカバー率は11.2%、利用従業員のカバー率は1.6%、100人~999人の利用企業のカバー率は2.2%、利用従業員のカバー率は1.3%、99人以下の企業の利用カバー率は0.2%、利用従業員カバー率0.5%と多くの企業で利用従業者数は限定的で、国内だけでも100倍の開拓余地が存在し、高い成長を見込んでおり、押し目買い優位に上値を伸ばす展開が続くと予想する。(株式評論家・信濃川)

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