【編集長の視点】GMOクラウドは連続の最高業績・増配を手掛かりにデジタル関連株買いが拡大し5連騰

 GMOクラウド<3788>(東1)は、前日24日に32円高の2730円と5営業日続伸して引け、8月29日に突っ込んだ年初来安値2322円からの底上げを鮮明化した。今2019年12月期業績が、連続して過去最高を更新し、配当も連続増配と予想されていることを手掛かりにデジタル関連株買いが増勢となった。訪米中の安倍晋三首相が、9月25日にトランプに大統領と会談して日米貿易協定の最終合意に達するとみられ、同協定にデジタル貿易協定が含まれていることも、ビジネスチャンス拡大として関連株買いにつながっている。

■電子証明書の国内シェアが50%を突破し電子契約でも海外展開の第1弾

 同社の今2019年12月期業績は、売り上げ140億1500万円(前期比10.0%増)、営業利益15億5000万円(同10.0%増)、経常利益15億5000万円(同4.0%増)、純利益10億1000万円(同5.6%増)と予想され、前期の過去最高業績を連続更新する。クラウド・ホスティング事業では、今年4月からクラウドの導入支援や設計・構築、監視・運用などを代行するサービス「CloudCREW」の提供を開始し、セキュリティ事業では、SSLサーバ証明書の国内シェアが50%を突破、ソリューション事業でも、「GMO電子契約Agree」の海外電子契約サービス展開の第1弾として、インド現地企業向けに英語版サービス「e-Contract Service Agree」の提供を開始したほか、契約アカウント数が拡大していることなどが要因となる。

 今年8月6日に発表した足元の今期第2四半期(2019年1月~6月期、2Q)累計業績も、前年同期比3.6%増収、6.5%営業増益、2.2%経常増益、20.6%純益増益と続伸して着地し、順調に推移した。今期配当も、期初予想通り年間43.84円(前期実績41.52円)と連続増配する。なおデジタル貿易協定は、国境をまたぐデータ移動やサービス、商品などの電子商取引などの自由化を目指すもので、幅広い企業向けにIT支援をしている同社のビジネスチャンス拡大を後押しすると期待されている。

■ミニGC示現で上昇トレンド転換を示唆しまず年初来高値からの調整幅の3分の1戻しへ

 株価は、生産現場におけるAI・Iot技術の共同開発・実証実験やIotデバイスのセキュリティサービスの共同開発・提供開始などの発表をテコに年初来高値4585円まで買い進まれ、同高値後は新興市場の人気離散に世界同時株安が重なって下値を探り、今年8月29日に日経平均株価が2万円台の下値を試す波乱相場のなか年初来安値2322円に突っ込んだ。同安値から電子契約サービスでの連携発表で売られ過ぎとして底上げ2628円までリバウンドし25日移動平均線水準を固める動きを続け、足元の5連騰で2785円まで上値を伸ばした。この間、5日線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆しており、まず年初来高値から同安値までの調整幅の3分の1戻しの3076円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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