【新春注目銘柄】大盛工業:第1四半期大幅好転にもかかわらず業績修正しない背景

注目銘柄

大盛工業<1844>(東2)の20年7月期第1四半期だが、売り上げ11億7000万円(前年同期比16・1%減)と減収となったが、営業利益2億9600万円(同2・3倍)、経常利益2億9400万円(同3倍)、純利益2億3900万円(同3・3倍)となった。

 同社は、東京都の下水道工事など地中工事が主体の土木建設会社である。第1四半期セグメントでは、主力の建設事業は売り上げ8億1418万円(同12・5%増)となり、営業利益は2億2528万円(同実績750万円)になったと発表している。同社は、高収益工事が増額変更されて売り上げに計上され、期間短縮による工事費用減が貢献したことを大幅営業益好転の理由としている。第1四半期の16・1%減収の原因は、不動産事業で販売(売却)物件が一巡して売り上げが減っていることによる。首都圏の不動産価格が高騰してアパートなど上物を建てて販売する事業が利幅低下を余儀なくされ抑制に転じているためだ。

 同社は、20年7月期通期について期初計画の売り上げ50億9400万円(前期比14・8%減)、営業利益3億7900万円(同12・5%減)、経常利益3億5600万円(22・2%減)、純利益2億8200万円(同79・4%増)を修正しないと表明している。

 第1四半期の大幅好転にもかかわらず、通期計画の減収・営業減益計画を変えないのは、東京都からの下水道工事などは受注額が一定だから工事が進んでも売上増に限界があるという見方からだ。さらに第2四半期以降は設計変更協議などもあって工事が遅れるという要因も挙げている。ただし、業績見通しを変更する必要が生じればその時点で見直しを行うとしている。

 同社には業績見通しを保守的に出すという傾向があるのはやや否めない面がある。他の建設関連企業もそうだが、工事の発注元が価格を下げてくることを懸念しての傾向とみられる。ただし、今回の第1四半期決算の好転は利益が想定以上に出ており、同社経営サイドも困惑したのではないかと推定される。同社の場合では、発注先である東京都が下水道工事発注面でどのような方針を出してくるのか。なお通期純利益が増益見込みになっているのは前期の震災復興作業員宿舎の減損特損が一巡するためと説明している。

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