【新春注目銘柄】ザ・パック:「紙化」で来期売り上げ1000億円乗せ&増配目標

注目銘柄

ザ・パック<3950>(東1)の19年12月期は売り上げ958億円(前期比2・9%増)、営業利益73億円(同5・4%増)、経常利益76億円(同5・3%増)、純利益50億円(同1・0%増)と増収増益となる見込みだ。予想1株当たり利益は263・5円となり通期配当は50円(上期25円)が見込まれている。

 同社は手提げ用紙袋、Eコマース用紙器の最大手クラス企業である。主力の紙袋が世界的な脱プラ需要で復活を遂げている。アパレル、化粧品、生活雑貨など都市型大型店舗が軒並みプラスチック袋から紙袋に切り替えており、同社の紙袋は内需がプラス成長に転じてきている。百貨店閉店などで紙袋は需要が低迷していたが、脱プラで需要が蘇っていることが大きい。中国での紙袋製造販売、アメリカでの紙袋販売も同様に伸びている。世界的にプラスチック袋から紙袋に切り替えられる動きが顕在化している。

 紙器、段ボールもEコマース向けに続伸している。原紙値上げに対応する紙袋、紙器の価格値上げも期末にかけてようやく浸透している。こうした要因が業績好調を支えている。

 20年12月期は紙袋、紙器の続伸が見込まれる。加えて、「紙化」の動きが新しい支援材料になる。コンビニ、スーパー向けに一般化している食品などのプラスチック製容器が紙の容器に切り替わる動きが表面化しそうだ。同社はそれを「紙化」と呼んでいるのだが、同社はそうした新需要に対応する準備を進めている。

 「紙化」は、かなり広範囲の需要を掘り起こせる可能性がある。こうした追い風を受けて20年12月期は、売り上げ1000億円の大台乗せを目標にしており、増益確保は堅いとみられる。純利益は52億~53億円と過去最高を小幅だが更新する見込みだ。予想1株当たり利益は276~280円程度に上昇する可能性が出てくるとみられる。

 先行きに大阪、奈良両工場の建て替え(基本プラン策定中)や東京工場の紙袋部門の設備増強を予定しており、従来は増配には慎重な姿勢を表明してきた。しかし、売り上げ1000億円乗せは同社としても念願だったことは間違いない。同社としては、10円程度の増配を進めて年60円配移行を果たすことで株主還元を行う意欲を示している。

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