【編集長の視点】スペースバリューHDは2Q上ぶれ業績を見直し3Q決算に期待して続伸

 スペースバリューホールディングス<1448>(東1)は、前日6日に17円高の569円と続伸して引けた。同社株は、今年2月14日に今2020年3月期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)決算の発表を予定しており、第2四半期累計(2019年4月~9月期、2Q)業績が、昨年6月公表の予想業績を上ぶれて着地したことを見直し、3Q業績に期待を高めて売られ過ぎ訂正買いが増勢となった。今年1月31日には不適切会計処理のあったホテル開発用地(横浜市山下町)を売却したことも、悪材料出尽くし評価を強めている。

■今期純利益は減損損失一巡で前期比8倍増益とV字回復

 同社の今期2Q累計業績は、昨年6月予想より売り上げが7億8400万円下回ったが、営業利益が3億8700万円、経常利益が4億2900万円、純利益が800万円それぞれ上回って着地した。売り上げは、システム建築事業で事務所・店舗建築が低調に推移したことなどから下ぶれたが、利益は、高利益率のメンテナンス事業が好調に推移して売上総利益率がアップし、不正再発防止費用が発生したものの、販管費が想定を下回ったことが要因となった。なお純利益は、横浜市のホテル開発用地の売却に伴い設計費、デザイン費などを特別損失に計上したことで小幅修正にとどまった。

 今3月期通期業績は、昨年6月予想に変更はなく売り上げ860億円(前期比0.4%増)、営業利益31億円(同27.7%減)、経常利益33億円(同24.4%減)、純利益21億円(同8.04倍)と見込んでいる。純利益は、前期に計上した特別調査費3億2400万円や開発事業資産の減損損失29億6800万円などが一巡しV字回復する。3Q業績が、2Q累計業績の上ぶれ着地に伴い今3月期通期業績に対してどのような進捗をみせるか注目されている。

■上昇トレンド転換の25日線にサポートされ低PER・PBR修正に発進

 株価は、昨年10月に日成ビルド工業の完全親会社として単独株式移転により設立・上場され上場来高値1217円をつけたが、不正会計問題や業績の下方修正が続いて下値を模索、昨年8月には上場来安値432円に顔合わせした。同安値からは今期2Q累計業績の上ぶれ着地などで売られ過ぎとしてリバンド、603円高値をつけ25日移動平均線が上昇トレンド転換を鮮明化したが、新型肺炎の感染拡大で日経平均株価が、483円安と今年最大の下げ幅となったことにツレ安し窓を開けて再び539円まで下ぶれた。足元の2日続伸で、このとき開けた窓を埋めて25日移動平均線をクリアした。PERは9倍台、PBR0.76倍、年間配当25円の配当利回りは4.59%と割り負け値ごろ妙味もあり、25日線にサポートされつつ、まず最高値から最安値への調整幅の3分の1戻しの700円台回復に動こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■東京大学発スタートアップが開発、19自由度のヒューマノイドロボット  東京大学発スタートアップH…
  2. ■売却面積は約1.6倍に、総額1,785億円超の譲渡価額  東京商工リサーチは6月30日、2024…
  3. ■従来の検索では見つけられなかった本との出会いを創出  富士通<6702>(東証プライム)傘下の富…
2025年8月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728293031

ピックアップ記事

  1. ■株主還元強化が市場の安心材料に  東京エレクトロン<8035>は8月1日、2025年3月期の業績…
  2. ■市場の霧が晴れ始めた、個別銘柄の好調が投資家を惹きつける  前週31日の植田和男日銀総裁の記者会…
  3. ■利上げか、現状維持か?日銀総裁の決断で明暗分かれる8月相場  日銀の金融政策を巡る不確実性が続く…
  4. ■選挙惨敗の石破首相に退陣要求、政局混迷の行方  まるで狂言の『乳切木』(ちぎりき)を観るようであ…
  5. ■九州地盤銘柄に割安感、福証単独上場企業にも注目集まる  東京エレクトロンやアドバンテストなどの半…
  6. ■参院選で与党過半数割れ、石破政権の行方不透明に  7月20日投開票の参議院議員選挙は、大手メディ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る