ヨコレイは売られ過ぎ感、20年9月期増益予想

日インタビュ新聞ロゴ

 ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。冷蔵倉庫事業は低温物流サービスの戦略的ネットワーク構築、食品販売事業はノルウェーHI社と提携して業容拡大戦略を推進している。20年9月期増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。

■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開

 冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。19年9月期セグメント別売上高構成比は冷蔵倉庫事業20%、食品販売事業80%、その他0%、営業利益(連結調整前)構成比は冷蔵倉庫事業85%、食品販売事業14%、その他1%である。

 収益面では、冷蔵倉庫事業は倉庫稼働率、食品販売事業は水産品・畜産品・農産品の市況や季節要因の影響を受ける特性がある。中期成長戦略として収益性の一段の強化を推進している。

 冷蔵倉庫事業は積極投資で低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築し、新物流センターが順次稼働して収益拡大に貢献している。20年2月つくば物流センター(仮称)竣工予定で、完成後は国内外合計収容能力が100万トンを突破する。また福岡市アイランドシティ港湾関連用地4工区E区画を取得している。海外はASEAN地域へ積極展開し、子会社タイヨコレイの保管収容能力はタイ国内トップシェアである。

 食品販売事業は、子会社アライアンスシーフーズ(ASF社)がノルウェーの大手水産加工会社HI社と提携し、ノルウェーサーモン・トラウトの養殖・加工・販売拡大戦略を推進している。20年1月には食品販売事業の完全子会社アライアンスシーフーズとクローバートレーディングを吸収合併した。

■20年9月期増益予想

 20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比2.2%増の1430億円、営業利益が13.1%増の54億円、経常利益が21.3%増の60億円、純利益が15.2%増の39億円としている。配当は19年9月期と同額の23円(第2四半期末11円50銭、期末11円50銭)としている。

 第1四半期は売上高が前年同期比15.5%減の316億67百万円、営業利益が5.0%減の11億56百万円、経常利益が1.9%減の13億33百万円、純利益が15.9%減の7億64百万円だった。冷蔵倉庫事業が保管料収入増加で0.4%増収、8.7%増益と堅調だが、食品販売事業が水産品相場下落などで19.4%減収、赤字化した。

 通期は冷蔵倉庫事業が順調に推移し、食品販売事業の収益性改善も寄与して増益予想である。冷蔵倉庫事業は2.8%増収で0.8%増益、食品販売事業は2.0%増収で67.0%増益の計画としている。第1四半期は減益だったが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待は毎年9月末の株主対象

 株主優待制度は毎年9月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて水産品などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は売られ過ぎ感

 株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月9日の終値は788円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円54銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想23円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1336円12銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約467億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■離職率低下と顧客満足向上を実証、省人化潮流に逆行する人材重視戦略  「丸亀製麺」主力のトリドール…
  2. ■ビーム整形と出力平準化技術を融合し大気揺らぎを克服  NTT<9432>(東証プライム)と三菱重…
  3. ■航続距離650キロを実現、日野が新型FCV大型トラック投入  日野自動車<7205>(東証プライ…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  2. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…
  3. ■全市場のわずか1.4%、希少な高配当利回り銘柄が浮上  株式市場では、高配当利回りを持つ10月決…
  4. ■「高市祭り」への期待と警戒交錯、資金は安定配当株へシフト  10月終盤相場は、「高市祭り」か「高…
  5. ■自民党総裁選と連立問題が相場を左右、短期急伸と急落を交錯  高市トレードは、まるで「超高速エレベ…
  6. ■東京市場、リスクオンとリスクオフが交錯、安全資産関連株に注目  週明けの東京市場は、米国株反発に…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る