【注目銘柄】山喜は医療用ガウン100万枚特需に期待感、21年3月期は復配の公算も

注目銘柄

■出来高急増で今後の動きに注目

山喜<3598>(東2)はワイシャツの最大手企業。前20年3月期は売り上げ153億円(前期比0・3%減)、営業利益9400万円(前期3億6800万円の赤字)、経常利益1億4100万円(同2億5300万円の赤字)、純利益7600万円(同3億0800万円の赤字)と小幅黒字に転換した。しかし、配当は無配(同2円)とした。

 黒字化したのに無配にしたのは、新型コロナウイルスの猛威によって、ワイシャツの販路である百貨店が4~5月に休業に追い込まれていたためだ。先行きが不透明ということで21年3月期についての業績予想は未公表と発表していた。

 しかし、そこに新型コロナウイルスによる特需が舞い込んだ。新型コロナウイルス感染者の急増で、感染症防護の使い捨て医療用ガウンが極端な不足になっている。そうしたことから政府から大手繊維素材メーカーに緊急依頼があり、同社に生産が委託された。特需は医療用ガウン100万枚で、同社としては長崎工場、鹿児島工場などを中心にフル生産で対応している。同社としては、仮に特需が終了しても、ワイシャツ以外の第2の柱となる有力アイテムとして医療ガウン製造を継続するとしている。

 同社は同時にワイシャツ生地を使った布製の一般用マスクにも新規参入を行っている。地方自治体、あるいは民間からの需要で70万枚程度の受注があるとしている。マスクも中国から輸入しているわけで国産化が必要とされており、そこに対応している

 21年3月期だが、主力のワイシャツは百貨店休業で出遅れたが猛暑など天候次第で盛り返せる模様だ。医療ガウンは、政府からの特需で好採算とみて間違いない。そうした趨勢から増収増益に持ち込めれば2~3円復配が見込まれそうだ。

 株価(5月14日)は、1月16日の年初来高値221円を更新し一時256円まで上げた。出来高も急増しており、今後の動きが注目されるところだ。

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