マーチャント・バンカーズが急伸、前3月期の営業利益2倍となり今期は2.8倍を見込む

■新型コロナの影響続くものの「マーチャント・バンキング事業」が牽引

マーチャント・バンカーズ<3121>(東2)は5月20日、一段高となり、一時24%高に迫る378円(72円高)まで上げて活況高となっている。19日に発表した2020年3月期の連結決算が前期比で売上高26.5%増、営業利益2.1倍となり、注目集中となった。今期も営業利益は2.8倍を見込む。

 20年3月期は、大都市圏のマンションを中心とした賃貸用不動産・収益用不動産の増加と、国内外の企業投資収入収の拡大などにより、売上高は前期比26.5%増加して24.48億円と大きく伸び、営業利益は前期の2.1倍の2.15億円となった。

■大都市圏の安定賃貸収益に基づきブロックチェーンなどに投資

 親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した特別利益(投資有価証券売却益3.2億円)の反動減により減益となり、同70.4%減の0.83億円だった。

 同社の事業は、「マーチャント・バンキング事業」と「オペレーション事業」の2大セグメントで構成される。連結売上高に占める割合は、マーチャント・バンキング事業が55.9%、オペレーション事業が44.0%だった。

 マーチャント・バンキング事業は、大都市圏のマンションを中心とした賃貸用不動産から得られる安定的収益を基盤に、ブロックチェーンや医療・介護、AIなど、社会の変革(パラダイムシフト)の原動力となりうる分野への投資事業を積極的に展開。セグメント利益は前期比64.8%増加した。

 エストニア共和国で行う仮想通貨交換所「ANGOO Fintech」(アンゴウフィンテック)との連携事業では、運営受託などで大きな進展があった。

 また、オペレーション事業では、グループ会社が運営する「加古川プラザホテル」などの宿泊施設のほか、ボウリング場、インターネットカフェ、服飾雑貨店の運営、並びに給食業務の受託などを多角的に展開している。新型コロナウイルス流行による外出自粛、営業委縮などの影響により、第4四半期に急速に情勢が暗転し、セグメント利益は6百万円の赤字となった。

 今期・21年3月期は、いぜん、オペレーション事業に新型コロナウイルス流行による経済的な影響が続く見込みであるものの、マーチャント・バンキング事業で引き続き大幅な増収増益を見込み得るため、連結業績予想を売上高は25億円(20年3月期比2.1%の増加)、営業利益は6億円(同約2.8倍)とし、親会社株主に帰属する純利益は3億円(同約3.6倍)、予想1株利益は10円77銭を見込むとした。(HC)

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