【注目銘柄】ショーエイコーポは続落も1Q好業績、通期最高益をテコに下値に割安修正の押し目買い

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ショーエイコーポレーション<9385>(東1)は、前日11日に32円安の1039円と続落して引けた。同社株は、3連休前の7日に今2021年3月期第1四半期(2020年4月~6月期、1Q)決算を発表し、3ケタ増益のV字回復となり、期初予想の今3月期通期業績に対して高利益進捗率を示したが、株価が、2018年1月につけた上場来高値1091円にあと1円と迫っていたことから目先の利益を確定する売り物が増勢となった。ただ、この日の安値968円からは70円幅引き戻して引けており、下値には連続して過去最高を更新する今期通期業績を手掛かりに割安修正期待の押し目買いが続いた。とくに新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う「巣ごもり消費」で100円ショップ株が、軒並み年初来高値を更新中で、同ショップ向けの商品販売事業が好調な同社株には、100円ショップ株との比較感が働き買い手掛かりとなっている。

■商品販売事業のセグメント利益はマスク、除菌剤などの寄与で98%増

 同社の今期1Q業績は、売り上げ49億300万円(前年同期比比8.2%増)、営業利益2億6000万円(同2.2倍)、経常利益2億6700万円(同2.7倍)、純利益1億7900万円(同2.8倍)と大幅増益転換して、今3月期通期予想業績に対する利益進捗率は、営業利益が30%、経常利益が32%、純利益が33%とそれぞれ目安の25%を上回った。

 営業促進事業のセグメント利益が、新型コロナウイルス感染症の影響でDMなどが伸び悩んだが、化粧品・雑貨品の充填セットの同69.0%増などを中心に同56.5%増、商品販売事業のセグメント利益も、100円ショップ向けがマスク、除菌剤などで同15.5%増、ドラッグストアなど量販店向けが同49.9%増と好調に推移ししたことで同98.9%増となったことが寄与したもので、7月からのレジ袋有料化に先立って手提げ袋、レジ袋、ゴミ袋などの売れ行き増も上乗せとなった。

 今2021年3月期通期業績は期初予想を据え置き、売り上げ208億6100万円(前期比比9.1%増)、営業利益8億6900万円(同38.4%増)、経常利益8億3300万円(同31.7%増)、純利益5億4100万円(同33.4%増)と連続の2ケタ増益を見込み、純利益は、連続して過去最高を更新する。1QV字回復業績から、今後の業績推移が注目されることになる。

■PER評価は関連の100円ショップ株の半分以下で値幅効果大

 株価は、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的な大流行)による世界同時株安の波及で年初来安値601円へ突っ込み、期末の配当権利取りで底上げ転換し、今期業績の連続過去最高更新予想に「巣ごもり消費」関連株人気が加わり年初来高値1090円まで買い進まれ8割高したが、上場来高値1091円にあと1円と迫ったことで利益確定売りも交錯しスピード調整した。100円ショップ株は、軒並みこの7月、8月に年初来高値まで買われ、PER評価は23倍~85倍と評価される高人気となっている。これに比べれば同社のPERは11倍と半分以下と割安であり、上場来高値抜けから上値にチャレンジ、100円ショップ株最割安PER23倍に評価した2000円大台タッチの展望も拓け、値幅効果が期待できそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)

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