アルコニックスグループのAMJ社が台湾のタングステン化合物メーカーに出資し原料の確保を目指す

■レアメタル製品の製造事業における海外展開の一環

アルコニックス<3036>(東1)は8月25日の夕方、連結子会社アドバンストマテリアルジャパン(東京都千代田区、AMJ社)がレアメタル製品の製造事業における海外展開の一環として、台湾のタングステン化合物メーカー、Lianyou Metals Co.,Ltd.(顔文良董事長、LianyouMetals社)に出資すると発表した。

■出資するLianyouMetals社はタングステンなどのリサイクル新拠点に

 自動車、半導体のグローバル化にともなう超硬工具市場の拡大を背景に、AMJ社が得意とするタングステン関連の独自のサプライチェーンを駆使し、出資先と製販一体での事業展開を目指す。出資後の所有株式数は1600万株(所有割合は20%)、出資額、出資時期は非開示。

 LianyouMetals社は、タングステンスクラップのリサイクル加工をターゲットに2018年5月に設立された。台湾・高雄港から50㎞の位置にあり、海外からのスクラップの受け入れ、加工後製品の輸出に高い利便性を持ち、台湾での環境面における法規制もクリアしている。

 タングステンスクラップに含まれるコバルトの回収も行っており、超硬工具原料としてのコバルト源の活用以外に今後伸長が期待される電池産業への展開も視野に入れている。年間生産能力はタングステン酸ナトリウム(ST:Sodium Tungstate)5000t、炭酸コバルト600t。タングステン、コバルトリサイクルの新たな拠点としての高いポテンシャルを有している。

 一方、アルコニックスグループのAMJ社は、2019年からスクラップ供給及び加工後製品となるタングステン酸ナトリウムの販売に携わってきた。これまで得意としてきたロシアを中心としたタングステン鉱石取引に加え、LianyouMetals社への出資を通じ、都市鉱山としての機能も強化し、中国に続くタングステン、コバルト原料の確保を目指す。(HC)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■国際特許分類や元素リストを用いて多様な解決策を自動生成  AGC<5201>(東証プライム)は1…
  2. ■Newton・GR00T・Cosmosを軸にロボット研究を高速化  NVIDIA(NASDAQ:…
  3. ■700億パラメータ規模の自社LLMを金融仕様に強化、オンプレ環境で利用可能  リコー<7752>…
2025年11月
 12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930

ピックアップ記事

  1. ■鶏卵高騰・クマ被害・米政策転換、市場が注視する「3素材」  2025年11月、師走相場入りを前に…
  2. ■AI株からバリュー株へ資金移動、巨大テックの勢い一服  「AIの次はバリュー株」と合唱が起こって…
  3. ■日銀トレード再び、不動産株に眠る超割安銘柄  今週の投資コラムは、政策金利据え置きの投資セオリー…
  4. ■日銀据え置きでも冴えぬ不動産株、銀行株が主役に  株価の初期反応が何とも物足りない。10月30日…
  5. ■造船業再生へ3500億円投資要望、経済安全保障の要に  日本造船業界は、海上輸送が日本の貿易の9…
  6. ■高市政権が描く成長戦略、戦略投資テーマ株に資金集中  「連立政権トレード」は、早くも第2ラウンド…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る